日本マラソン界に現れた第3の男 大迫傑に続く25歳山下一貴は走りも、胃袋も「タフ」【東京マラソン】
胃袋もタフ、駒大コーチが証言「走って食べる人は強い。高橋尚子さんもそうだった」
同監督は「大学時代からとにかくよく食べる。食欲旺盛です」と明かす。他のメンバーが席を立っても、一人残って食べ続けるほど。4月から駒大駅伝チームの新監督となる元日本記録保持者・藤田敦史コーチも「2人前は余裕です。それだけ内蔵が強い。マラソンには大事なこと。走って食べる人は強いです。高橋尚子さんもそうだった」と胃袋まで評価し、続けた。
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「大八木監督の指導は伸びしろを残す指導をする。そこを三菱重工で突き詰めて、素晴らしい選手になってくれた。彼は大学時代から素直です。体ができていなかったけど、実業団で着実に力をつけていて感慨深い。精神的にも、物事に動じないのはマラソン向きです」
大八木監督に繰り返し言われてきたのは「世界陸上、五輪を狙え」。藤田コーチには、卒業時に「トップを目指せ」と送り出された。その藤田コーチの自己ベスト2時間06分51秒を塗り替える快走。この日、大迫にも「彼は強い」と言わしめた。
すでにパリ五輪選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC、23年10月15日)の出場権を獲得済み。記録上では鈴木、大迫に続く“第3の男”が誕生し、五輪争いも激しさを増す。8月のブダペスト世界陸上とMGCは2か月弱しかなく、MGCを優先する選手が多い。でも、山下は柔らかい笑顔と裏腹に欲張りだった。
「まだ相談しないとわからないですが、自分は世界陸上には出てみたい。どうせならチャレンジしたい。欲張りに(笑)。そういう考え方があってもいいのかなと思います。2つ出るくらいタフじゃないといけない。ずっとパリ五輪が目標」
1月に一般女性と結婚。「プラスに働いていると言わないと……」と笑う。「でも、結婚して悪くなったとは言われたくない」。大学時代から「イチタカスマイル」と称される笑顔は、レース中に漏れることも。愛嬌満点のランナーが、パリに向けて強く駆け出す。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)
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