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ラグビーW杯日本代表入りの争いは? リーグ序盤戦で見えたポジション別“最新勢力図”

2シーズン目に突入したリーグワンのディビジョン1(1部)は、各チームがカンファレンス内の全チームとの対戦を消化。1月末からは別カンファレンスのチームとの対戦(交流戦)が始まった。序盤戦を終えて、昨季王者・埼玉パナソニックワイルドナイツが唯一の7戦全勝、6勝1分で無敗のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ、6勝1敗の東京サントリーサンゴリアスと、実力拮抗の首位戦線は予断を許さない。上位陣のレベルアップと混戦模様の戦いのなかで、9月に開幕するワールドカップ(W杯)フランス大会へ向けた代表メンバーのパフォーマンス、そしてリーグで輝きを放つ新たな代表予備軍を検証する。(取材・文=吉田 宏)

BL東京のNO8として際立った動きを見せているリーチ・マイケル【写真:Getty Images】
BL東京のNO8として際立った動きを見せているリーチ・マイケル【写真:Getty Images】

序盤戦を終えたリーグワン、日本代表候補たちのパフォーマンス検証

 2シーズン目に突入したリーグワンのディビジョン1(1部)は、各チームがカンファレンス内の全チームとの対戦を消化。1月末からは別カンファレンスのチームとの対戦(交流戦)が始まった。序盤戦を終えて、昨季王者・埼玉パナソニックワイルドナイツが唯一の7戦全勝、6勝1分で無敗のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ、6勝1敗の東京サントリーサンゴリアスと、実力拮抗の首位戦線は予断を許さない。上位陣のレベルアップと混戦模様の戦いのなかで、9月に開幕するワールドカップ(W杯)フランス大会へ向けた代表メンバーのパフォーマンス、そしてリーグで輝きを放つ新たな代表予備軍を検証する。(取材・文=吉田 宏)

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 リーグワン序盤戦で輝いたのは誰なのか。代表戦士、そしてW杯出場への可能性を秘めた新たな力を、ポジション順に見ていこう。

 まずはFW(フォワード)第1列だが、PR(プロップ)クレイグ・ミラー、稲垣啓太、そしてHO(フッカー)堀江翔太という埼玉WKの3人が、リーグ戦で存在感を見せる。W杯を勝ち抜くためのキーファクターの1つになるのが、第1列が軸になるスクラムだ。ミラー、稲垣はともに左PRのため所属チームでも交互の出場が続くが、稲垣が機動力を武器にブレークダウン、タックルと運動量でアピールするのに対して、ミラーは安定したスクラムワークをリーグワンでも発揮している。

 昨年12月25日の静岡ブルーレヴズ戦では、リーグ屈指のスクラムの強さを誇る相手に序盤から重圧を受ける展開だったが、後半9分からミラーが登場すると、相手のスクラムでのプレッシャーを封じ込んで、残り2分を切っての逆転勝ちに導いた。個性の異なる2人がそれぞれの武器を生かしたプレーを見せることで、W杯本番でも自分たちの戦術や対戦相手のゲームスタイル、スクラムの特徴に応じて戦術的に先発、リザーブを入れ替えての起用が計算できる。

 スクラムの司令塔となるHOは、堀江が相変わらず群を抜いたパフォーマンスを見せている。2015年に手術を受けた頸部の影響などもあり、今季のチームでは代表主将も担う坂手淳史が先発、堀江のベンチスタートが続いたが、ピッチに立てばトリッキーなノールックパスや背中を通すバックパス、グラバーキックなど奔放なスキルを繰り出してきた。スクラムでも、相手のどこに重圧をかけるか、自分たちがどう組めば安定するかなどの判断力で、FW8人を統率する。代表でも、首への負担を避けながらも、欠かせない存在は揺るぎない。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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