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W杯4強のカギはリーグワンにあり? リーチの言葉から探るラグビー日本代表強化の道

埼玉WKと東京SGの2強に挑む注目チーム

 この2強に、昨季4強入りしたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ、BL東京、そしてプレーオフ進出を逃した神戸(昨季7位)、トヨタヴェルブリッツ(同5位)、昨季6位に食い込んだ横浜キヤノンイーグルスらが、どこまで上位争いを展開できるか。飛躍が期待されるBR東京(同9位)、静岡ブルーレヴズ(8位)が上位に食い込むことができるかが、プレーオフ進出を懸けた展望になる。

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 シーズンごとに力をつけてきたS東京ベイは、昨季同様にパワフルなFWを前面に出してトップ2を追う。BL東京も、プレシーズンマッチでは昨季以上にFWがしっかりと接点で圧力をかけることで、トッド・ブラックアダーHCがこだわるボールを大きく動かすアタックが機能している。

 パワフルなFW戦では、トヨタも伝統の強みを重視して開幕へ準備を進めてきた。日本代表などでも防御に手腕を発揮してきたベン・へリングHCの就任で、課題の失点をどこまで抑え込めるかがカギになる。

 同じく強化トップをニコラス・ホルテンHCに代えた神戸は、指揮官自身が「独自性のある神戸のラグビーをチームとして共有できるかが重要」語るように、チーム全体がどこまで方向性を失わずに戦えるかがポイントになる。昨季は4強入りを掴みかけたキヤノンは、沢木敬介監督の下で、常にボールを停滞させない攻撃的なスタイルにこだわり、磨き込んできた。終盤に上位勢に勝ちきれなかった昨季のような展開を回避するためには、選手層の厚みがポイントになりそうだ。

 昨季の順位に変動をもたらす可能性を秘めるのがBR東京。失意の9位からの浮上に挑む今季は、戦力を確実に増強している。先に挙げたヒューズのパワフルな突進と運動量、ノンキャップながら前に出る推進力抜群のLOジョシュ・グッドヒューが、ボールキャリーを武器に攻撃の起点として期待される。入団2シーズン目、22歳ながらハードタックルをフルタイム繰り返すLOハリソン・フォックスも成長株として注目だ。課題の攻撃力では、昨季も獅子奮迅の活躍をみせたSOアイザック・ルーカスに、日本代表でも経験を積んだFBメイン平、フィジカルの強さが武器のWTB(ウイング)西川大輔らが得点力を上乗せできれば、上位浮上の可能性は十分にあるだろう。

 優勝争いも気懸りだが、上位入りの可能性を持つチームが期待以上に競り合い、厳しい順位争いを展開すれば、日本代表勢のポテンシャルも維持、磨かれることになる。リーグの頂上争いと同時に、桜の戦士たちが来年のフランスでまだ見ぬ高みに勝ち上がるために、17日から始まる熱く激しい戦いに期待したい。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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