4度目受験でプロテスト合格 22歳皆吉愛寿香、1年前の1次予選落ちから劇的成長の理由
パットのカット打ちは、橋本真和コーチからの指導で修正
「橋本さんには、私のボールをカットして打つクセを修正していただきました。自分でも分かっているつもりでしたが、データを取ってどういう動きなっているかを示してくださいました。(イントゥーインの)正しいストローク軌道を線で描いたパッティングマットで練習を繰り返しました。直接指導は2回ですが、それからバーディー数が増え、プレッシャーのかかる場面でも、しっかりとストロークができるようになりました」
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皆吉は、メーカーからクラブ、ボール、ウェアの提供を受けておらず、それらを自費で購入してきた。高校卒業後、所属先となった鹿児島高牧CCでキャディーをして得た給料、テレビ番組出演料、株式会社関通(本社兵庫・尼崎市)のスポンサー料を収入とし、ギリギリの経済状況で活動を続けてきた。だが、今後、さらに支出が増えることも分かっている。
「QT(ツアー予選会)、試合の出場で遠征費がかかりますし、『もっと、頑張らないといけない』という思いです。支えてくれた家族のためにも、賞金を稼いでいきたいです」
合格が決まった後、皆吉のスマートフォンには、大量の祝福メッセージが届いた。南コーチからは、「おめでとう。感動した」と伝えられたという。番組内での指導だったため、コーチ料は支払っていないが、皆吉は「また、教わりたいです。私が稼いで、ちゃんと契約できるようになってからですが」と言った。ようやくスタートライン立った22歳。その未来は今、希望に満ちている。
□皆吉愛寿香(みなよし・あすか)
2000年5月7日、鹿児島市生まれ。神村学園高卒。父の勧めで10歳からゴルフを始め、コーチなしで父と一緒に練習をしてきた。中学生になり、12、13年の鹿児島ジュニアゴルフ選手権優勝。神村学園高にはゴルフ部はなく、当時からアルバイトをしていた高牧CCで練習を重ねた。21年3月にアマチュア資格を放棄。ドライバー平均飛距離は240ヤード。憧れのプロは、同郷で「雲の上の存在」だった勝みなみ。家族は両親、姉、妹。159センチ、血液型O。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)