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4度目受験でプロテスト合格 22歳皆吉愛寿香、1年前の1次予選落ちから劇的成長の理由

国内女子ゴルフツアーが活況を呈する中、今年も8月から日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)プロテストが実施された。今月1日から4日間、茨城・大洗GCで最終プロテストが行われ、18位タイまでの計20人が合格者となった。1次予選からの総受験者数は計649人で、合格率3.08%の超難関。4度目の受験となった22歳・皆吉愛寿香(みなよし・あすか=鹿児島高牧CC)は、18位で合格を果たした。21年度テスト1次不通過から、劇的な成長を見せて悲願成就。経済的に苦しかった4年間、家族との絆、成長の過程、ラウンド後に合格を知るまでの動きを聞いた。(取材、文=THE ANSWER編集部・柳田通斉)

最終プロテストのリーダーボードの前でポーズをとる皆吉愛寿香【写真:Getty Images】
最終プロテストのリーダーボードの前でポーズをとる皆吉愛寿香【写真:Getty Images】

カットライン上でプロテスト合格……「あのパットを外していたら」

 国内女子ゴルフツアーが活況を呈する中、今年も8月から日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)プロテストが実施された。今月1日から4日間、茨城・大洗GCで最終プロテストが行われ、18位タイまでの計20人が合格者となった。1次予選からの総受験者数は計649人で、合格率3.08%の超難関。4度目の受験となった22歳・皆吉愛寿香(みなよし・あすか=鹿児島高牧CC)は、18位で合格を果たした。21年度テスト1次不通過から、劇的な成長を見せて悲願成就。経済的に苦しかった4年間、家族との絆、成長の過程、ラウンド後に合格を知るまでの動きを聞いた。(取材、文=THE ANSWER編集部・柳田通斉)

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 最終18番パー4。皆吉は、1.5メートルのパーパットを残していた。17番を終えて通算3オーバー。カットラインのスコアは分からなかったが、「入れておかなければ」と強く思った。胸の鼓動は高鳴り、汗も出てきた。

「触るだけの下りフックラインでした。それでも、不思議と手が動きました。タッチも思い通りで、カップの真ん中から入ってくれました」

 ひとまず安堵し、アテストを終えてからは、スコアボードの前に立った。自分よりスコアが上の選手は1人だけだったが、時間が経つごとに順位が下がっていった。「(合格は)2オーバーまでなのかも……」。あきらめの気持ちが出てきた時、JLPGAの女性スタッフから声を掛けられた。

「もう、大丈夫ですね。これ、書いて待っていてください」

 合格者だけに渡されるアンケート用紙だった。

「すぐに涙があふれ、声が震えました。『あっ、ありがとうございます』と返すのが、精いっぱいでした」

 第3日を終え、皆吉は通算2オーバーで23位。最終日は朝から強風だったことで、「スコアを落とさなければ、チャンスがある。耐えるゴルフをしよう」と思っていた。1番パー4、2番パー5で想定外の連続バーディー。3番パー4をボギーにした後はパーセーブを続けるも、14番パー3からは3連続ボギーを打った。そして、17番パー4も2メートルのパーパットを残すピンチだったが、18番同様に「手が動いてくれました」と言った。

「17、18番で落としていたら、あのパットを外していたら……と思うと、今でも怖くなります。私は今回、初めて最終まで来られたのですが、1、2打差で落ちると、『なかなか立ち直れない』という話も聞いていたので」

 皆吉は、9歳で国内ツアー・Tポイントレディス(鹿児島高牧CC)を観戦し、北田瑠衣の優勝に感激した。「私もあの舞台に立ちたい」。その思いで10歳からクラブを握り、父親と毎日、練習に打ち込んだ。中1、中2で鹿児島県ジュニア選手権に優勝したが、2学年上で地元の先輩、勝みなみは「雲の上の存在」。全国大会に出ても、同学年の西村優菜、吉田優利、古江彩佳、安田祐香らには太刀打ちできなかった。そんな中、15年夏に父が心筋梗塞で倒れ、ゴルフができない体に。皆吉は1人で練習をするようになった。

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