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天才少女と呼ばれた金田久美子、33歳の復活V “もう一度、戦える体”を作った2人の存在

女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディス最終日(埼玉・武蔵丘GC)は10月30日、33歳・金田久美子(スタンレー電気)が11年189日ぶりにツアー2勝目を飾り、幕を閉じた。1988年のツアー施行後、最長ブランク優勝。その復活劇を支えたトレーナーは、ツアー通算6勝の天沼知恵子(IMPACT A BODY)と競泳のオリンピアンだった。天沼に、体作りのサポートをした経緯とオリンピアンとの出会いを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

今年1月、初めて山田さんの指導を受けた金田久美子【写真:IMPACT A BODY NAGOYA提供】
今年1月、初めて山田さんの指導を受けた金田久美子【写真:IMPACT A BODY NAGOYA提供】

トレーナーを務めるツアー6勝天沼知恵子と競泳日本記録保持者の山田沙知子さん

 女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディス最終日(埼玉・武蔵丘GC)は10月30日、33歳・金田久美子(スタンレー電気)が11年189日ぶりにツアー2勝目を飾り、幕を閉じた。1988年のツアー施行後、最長ブランク優勝。その復活劇を支えたトレーナーは、ツアー通算6勝の天沼知恵子(IMPACT A BODY)と競泳のオリンピアンだった。天沼に、体作りのサポートをした経緯とオリンピアンとの出会いを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

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 天沼は、ネットニュースで金田の優勝を知ったという。

「13番まではライブ映像を見ていましたが、その後は自分のトレーニング勉強会に入っていました。そして、スマホを開いて、結果を知った瞬間、ガッツポーズを取りながら、『ヨーシッ』と叫んでいました。気づいたら、顔にまで鳥肌が立っていました(笑)」

 ツアー6勝の天沼は、2018年からはセカンドキャリアとしてコーチ、トレーナーを務め、同年4月には東京・麻布十番にトレーニングジム「IMPACT A BODY」を開業した。そして、昨年10月に金田と再会した。

「富士通レディースで、私が藤本麻子プロのキャディーを担当することになって、金田プロと再会しました。その時に『天沼さん、パットのことで質問していいですか』と言われ、彼女の姿勢の変化に気づきました」

 天沼は、中学時代から金田を知っている。当時も今も、中学生でツアーに推薦出場するアマチュアは少ないが、金田は堂々と予選を通過し、優勝争いも演じていた。その頃はパッティングの際も、背中がピンと張っていたという。09年にプロ転向してからもそうだったが、目の前の金田は、少し背中が丸まっていた。そこを指摘した上で、抱えている体の痛み、トレーニングの状況を聞いたという。

「アドレスから背中の張りがなくなることは、年齢的なこともありますが、もう一度、上で戦える体を作るには何をすべきかを伝えました。夜も一緒に食事をしたのですが、私の話を興味深く聞いていました。試合で同組になった昔のこともよく覚えていました」

 03年リゾートトラストレディス。中2だった金田はラウンド中、観戦に来ていた歌手の錦野旦にロープ外から話しかけられた。家族ぐるみで付き合いのある人で、フランクに対応した。だが、会話の中で技術的なことも伝えられていたことを本人が認め、競技委員は「キャディー以外からアドバイスを受けた」と判断。規則違反で2打罰だったが、アテスト後にこの件が判明したため、金田は「過少申告」で失格となった。

 その際、金田のマーカー(スコアを記録及び証明する責任を負う同伴競技者)が、天沼だった。

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