“二刀流”で掴んだ金メダル 川除大輝が伝えたい「挑戦する心」の大切さ
パラアスリートが挑む“二刀流”「パラスポーツ内で多様性が出てきた」
金メダルを手にするまでの過程で、変わらず大切にしてきたのがスポーツを「楽しい」と思う心だ。川除がパラリンピックで見せた活躍に心動かされ、また憧れを抱き、自分もスポーツをやってみようと思う子どもたちもいるだろう。そんな子どもたちに贈るアドバイスとは……。
「障がいがあるかどうかではなく、スポーツをやって楽しいなと思えることが大切。楽しいと思ったから、僕はここまで来られた。まずは楽しむことが大切なのかなと思います。あとは、障がいがあるからと言わずに、ちょっと思い切ってやってみるということも大切。スポーツをやってみて、なんか違うなって思ったら別のものを探せばいい。チャレンジすることが大切かなと思います」
一般の大会とパラ大会の“二刀流”で独自の道を歩んできた川除だが、最近はパラスポーツ内での二刀流に挑戦する仲間からも刺激を受けている。パラクロスカントリースキーの先輩でもある有安諒平は、ボート日本代表として東京パラリンピックにも出場。北京パラリンピックのパラスキーで金メダル3つ、銀メダル1つを獲得した村岡桃佳が、東京パラリンピックでは陸上100メートルで6位入賞を果たしたことも話題になった。
「海外には二刀流の選手が多くいますが、最近は日本でも増えて、パラスポーツ内で多様性が出てきたのかなと。パラスポーツは選手が少ない分、1人の選手が色々な競技に挑戦して、その経験を生かせるのはいいことだと思います。パラクロスカントリーチームの有安選手にボートの経験を聞くだけでも興味深く、色々な情報が入ってくることも面白い。僕は今はスキーのことで一杯ですけど、村岡選手が陸上の練習を楽しそうにやっているのを見ると面白そうだなと思いますね」
チャレンジしたい人を応援し、誰もが気軽にチャレンジできる環境を整えること。それこそが多様性を認める社会、共生社会と実現するための大事な一歩なのかもしれない。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)