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伊藤美誠が描く最強の宿敵・中国撃破 51年ぶりV目前の今、心は「もう完全に挑戦者」【世界卓球】

世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)は7日、中国・成都で女子準決勝が行われ、世界ランク2位の日本は同5位ドイツに3-0のストレート勝ちで4大会連続の決勝進出を果たした。8日は4連覇中の同1位・中国と頂上決戦。21歳のエース・伊藤美誠(スターツ)は東京五輪後の苦悩を乗り越え、チーム全員で「挑戦者」でいることを強調した。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

ドイツ戦でラリーをする伊藤美誠、目には挑戦者の魂を宿した【写真:Getty Images】
ドイツ戦でラリーをする伊藤美誠、目には挑戦者の魂を宿した【写真:Getty Images】

世界卓球団体戦・女子準決勝

 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)は7日、中国・成都で女子準決勝が行われ、世界ランク2位の日本は同5位ドイツに3-0のストレート勝ちで4大会連続の決勝進出を果たした。8日は4連覇中の同1位・中国と頂上決戦。21歳のエース・伊藤美誠(スターツ)は東京五輪後の苦悩を乗り越え、チーム全員で「挑戦者」でいることを強調した。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 淡々と拳を握る姿には、挑む気持ちが溢れていた。伊藤はドイツのエース、カットマンのハン・インと第2試合で激突。これまで何度も対戦してきた相手は、揺さぶりをかけてきた。変化をつけたり、突然打って来たり。しかし、日本のエースは冷静だ。スマッシュ、カウンターを繰り出し、相性のいい世界ランク8位の39歳をさばいていった。

 第1試合の早田ひな、第3試合の木原美悠がフルゲームにもつれ込んだ末に勝利した一方、危なげないストレート勝ちだ。

「自分の中で凄く自信があって、挑戦者の気持ちで戦えた。1ゲームの1本目から出足もよかった。予選よりもっと挑戦者の気持ちで戦おうと思っていました。毎日、毎日いい感じです」

 男子の試合が行われた隣のコートでは、地元の中国がスウェーデンを撃破。女子の試合をよそに観客席から鳴り物の応援グッズが響いたが、伊藤は「あまり気にならなかったです。逆にいま経験できてよかった。明日は(中国に)声援があるので」と“予行演習”と捉えた。

 中国はいつも高い壁だった。17歳だった4年前の前回大会決勝。第1試合で世界ランク1位にも立った劉詩文を撃破した。世界を驚かす大金星。しかし、チームは3連敗で銀メダルに終わった。4連覇した女王の底力を目撃。「1点を取って、1ゲームを取って、1人の勝ちになる。スタートが凄く大事」。先制攻撃の大切さを見せつけられた。

 東京五輪でもそう。シングルス準決勝で現世界ランク1位・孫頴莎に敗れた。金メダルの夢が潰えた7時間後、3位決定戦に勝利。しかし、銅メダルで流したのは悔し涙だった。「どんな大会でもいいから、やっぱり中国選手に勝ちたい」。水谷隼との混合ダブルスで金メダルを獲っても、シングルスで勝てない悔しさの方が大きかった。

 五輪後は大きな目標を立てられなかった。もう一度、24年パリ五輪で金メダルを目指すには、とてつもない覚悟が必要。目先の目標は立てられるが、先々の大目標がないことで自然と練習量が減った。すると、試合で自信が持てなくなる悪循環。今年1月の全日本選手権は単複ともに優勝したが、3月のパリ五輪代表選考会は5位に終わった。

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