史上初4回転アクセル成功の17歳マリニン 「最大のライバル」の1人、宇野昌磨と激突
フィギュアスケートの国際大会「木下グループカップ Japan Open 2022」(ジャパンオープン)が、10月8日にさいたまスーパーアリーナで開催される。3年ぶりに日本、北米、欧州の3地域に分かれ、アマチュアとプロの男女混合チームによる対抗戦が復活。各選手のフリースケーティングの合計点をチームの総合点とする団体戦形式で順位を決める。
フィギュアスケート「ジャパンオープン」に出場、男子フィギュアの次代を担う逸材
フィギュアスケートの国際大会「木下グループカップ Japan Open 2022」(ジャパンオープン)が、10月8日にさいたまスーパーアリーナで開催される。3年ぶりに日本、北米、欧州の3地域に分かれ、アマチュアとプロの男女混合チームによる対抗戦が復活。各選手のフリースケーティングの合計点をチームの総合点とする団体戦形式で順位を決める。
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本格的なフィギュアシーズンのスタートに向けて、日本から出場予定の坂本花織(シスメックス)、紀平梨花(トヨタ自動車)、宇野昌磨(トヨタ自動車)、三浦佳生(オリエンタルバイオ・目黒日大高)の4人の演技に注目が集まるなか、「THE ANSWER」ではトップスケーターたちの今季に懸ける想いを紹介。今回は北米チームの一員としてジャパンオープンに初参戦する、男子シングルの17歳新星イリア・マリニン(米国)だ。先日、公式戦で史上初めて4回転アクセルを成功させたフィギュア界最注目の逸材は、さいたまスーパーアリーナのリンクでも世界を驚かせるジャンプを見せるのか。新時代の到来を予感させる若きスケーターの素顔に迫った。(構成=THE ANSWER編集部、協力=テレビ東京)
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フィギュアスケートの歴史に、新たな1ページが書き加えられた瞬間だった。
9月14日、米レークプラシッドで行われたUSインターナショナルの男子フリーで、17歳のマリニンが前向きに踏み切って鋭いジャンプを披露すると、両手を広げながらしっかりと右足で着氷。国際スケート連盟(ISU)公認大会で、史上初めて4回転アクセルを成功させた。今年2月の北京五輪で羽生結弦が挑戦し、回転不足で転倒したものの、ISU公認大会でジャンプとして初認定されていた大技は、約7か月後に米国の次代を担うスケーターによって完成の時を見た。
マリニンは1月の全米選手権で五輪金メダルのネイサン・チェンに次ぐ2位となって一躍脚光を浴びると、4月の世界ジュニア選手権で優勝。両親が元フィギュアスケーターで、ウズベキスタン出身の母タチアナ・マリニナは1998年の長野五輪で8位入賞を果たしている。
「母は現役の頃、毎シーズン3、4回来日していましたが、日本は世界中のどことも違う独特で唯一無二の国だといつも言っていました。大袈裟に言っているのだろうと思ってあまり信じていませんでしたが、今回日本に来て母が真実を言っていたのだと気づきました」
今年7月に来日した際のインタビューで、日本についてこう語っていたマリニン。「小さい頃から、どんなに達成が難しいことでもチャレンジすることが好きでした」という逸材は、4回転アクセル挑戦についても次のように明かしていた。
「4回転アクセルについては、2年前から考えるようになりました。当時は遊びの一環で取り組むようになり、練習でハーネスをつけながら『これを成功させたら楽しいだろうな』と思っていました。その頃は今のように多くの選手が練習し、大会で実践するとは思っておらず、そこから自分も試してみようかな、自分なら成功させられるんじゃないか、と思うようになりました」