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いつもと同じ練習でも景色を変える方法 バスケ渡邉拓馬が伝えたい「考える大切さ」

渡邉拓馬氏は子どもたちにアドバイスを送りながら練習を見守った【写真:村上正広】
渡邉拓馬氏は子どもたちにアドバイスを送りながら練習を見守った【写真:村上正広】

渡邉氏との交流が子どもたちに与えた変化とは

 まずはクリニックからスタート。「いつもと同じ練習メニューでも、自分の考え方一つでまったく違うものとなります。ただドリブルをする、ただシュートをするだけではなく、何のためにする練習かを考えてみましょう。考える時間を持つと、いつもの練習が違って見えると思います」という渡邉氏のアドバイスに続き、ウォームアップを兼ねた5分間の鬼ごっこを行った。移動していいのは、体育館の床に描かれている様々な線の上だけ。鬼役につかまらないよう、ボールをドリブルしながら逃げ回るというゲームだ。

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 続いては、基本スキルをアップさせるためのドリルに挑戦。2人一組で1.5メートルほどの間隔を開けて向かい合い、まずは両手の指先を使ってワンバウンドパス。軽く膝を曲げて背筋を伸ばす基本姿勢をチェックした。さらに、片足立ちでのパス、片手キャッチからそのままボールを1回突いてパスなど、徐々にレベルが上がっていくと、子どもたちはなかなかうまくいかず、てんやわんや。それでも、渡邉氏のアドバイスを参考に自分で考え、工夫しながら、笑顔で挑戦し続けた。

 嬉しそうにこの様子を見守るのが、気仙沼ミニバスケットボール少年団の代表・袖野洸良さんだ。自身も大学までバスケットボールをプレーしたという袖野さんは、前回の「東北『夢』応援プログラム」を通じた渡邉氏との交流が、子どもたちにポジティブな影響を与えていることを実感しているという。

「一人一人が具体的な目標を立ててノートに書き込み、どうしたら達成できるかを考える、いい機会をいただきました。渡邉さんとの交流から、ただ練習をするだけではなく、振り返ったり考えたりすることが大切だと学んだようで、今ではそれぞれが自分で練習ノートをつけています。実際にプレーのレベルも上がってきましたし、成長を感じる場面も多々あります。今回も渡邉さんとお会いできることを何日も前から楽しみにしていたようで、子どもたちのワクワク感が伝わってきました」

 クリニックの最後は、4人対4人による試合形式のゲームを実施。通常のルールとほぼ同じだが、大きな違いはどちらのゴールにシュートしてもいいという点だ。どちらのゴールを目指した方がシュートの決まる確率が高いか、状況を見ながら瞬時の判断が求められる。一方のゴールを目指す途中で急な方向転換をしてディフェンスを外したり、相手がシュートを決めた直後には反対のゴール下に陣取ってロングパスからシュートを決めたり。機転を利かせながらシュートを打つ子どもたちの姿を、渡邉氏は嬉しそうに見守った。

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