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夢が多様化する時代だからこそ伝えたい プロ野球・内川聖一が語るスポーツの魅力

子供たちに「“体を動かすこと”を夢にしてもらえる方法を考えないと」

 きっかけは、小学校の訪問だったという。

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 アスリートとして一定の成果を挙げ、影響力を持つようになると珍しくないイベント。内川も小学校に出向き、「夢」という作文を書いてもらい、夢を叶えるために必要なことなどを自身の体験とともに話す機会が増えた。その時、ここ数年で変化を感じるようになった。

 それは、子供の「夢」の多様化だ。

「僕らが子供の頃より夢の幅が遥かに広い。僕らの時にはなかった夢がいっぱいあるんです。その夢の幅が広がっている中で、ジャンルとして“体を動かすこと”を夢にしてもらえる方法を考えないといけないと思ったんです。もちろん、僕はプロ野球選手なので、最終的に野球を選んでもらうために頑張るわけですが、それぞれの競技にいろんな選手がいる。その選手たちで協力して一つのイベントを立ち上げてみたいと」

 かつて、子供の夢といえば「プロ野球選手」が定番の一つだったが、現在は夢の選択肢が広がっている。内川はその変化を歓迎しつつ、野球選手としてはスポーツの魅力を伝えたいと思っている。

「1つの競技だけじゃなく『このスポーツとこのスポーツが好き』という選択肢があってもいい。スタート地点を作ってあげたい。近所に野球チームがあったから入りました、この地域はこの競技しかなかったから選びました、みたいなケースはどうしても多い。それだけではなくて、いろんなものをやった中から本当に『これ、楽しいね』と選んだものが夢になると、もっと素晴らしいんじゃないかと思ったんです」

 そんな内川に、子供たちに知ってほしい野球の面白さを聞く。

「野球って、スポーツの中でも特殊だと思うんです。個人対個人の戦いの結果が、チームの勝敗になるスポーツ。投手対打者の構図で、9イニング勝負していく。そこにバントがあったり、ヒットエンドランがあったり、いろんな作戦をチームとして取るけど、それをやるのも結局は個人。さらに、攻撃と守備が分かれていて、守っているだけでは点は入らないし、勝敗がつくこともない。

 サッカーみたいに流れの中で攻守が入れ替わり、自陣から一気に攻め上がって得点する展開もスポーツとして面白い。でも、個人対個人の積み重ねが最終的にチームの勝敗に繋がるのは他のスポーツではない部分。チームスポーツでありながら、個人の結果がついてくるスポーツ。一方で、個人の勝ち負けが必ずしもチームの勝ち負けに繋がるわけでもない。その面白さはありますよね」

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