海外4往復、体重10kg減 女子ゴルフ馬場咲希、10代だから乗り切れた37年ぶり快挙の夏
9月国内ツアー参戦、今後は「ミリ単位」の調整も重要に
鎌田氏によると、ラウンドや練習を重ねるゴルファーは、右足の股関節が詰まる傾向にあるという。スイングを繰り返すことが原因で、右骨盤が上がった状態に。それを改善しないままボールを打っていると、調子を崩すことがあるという。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「つまり、一般的に右足が左足よりも短くなった状態になるので、平らなライでも左足上がりのような感覚になるのです。結果、アドレスでボールの位置も変わります。咲希もそれで調子を崩した経験があるので、もし今、右股関節がそういう状態にあるならトレーニングとエクササイズで骨盤の位置を戻す必要があります。ミリ単位のことですが、とても重要なことです。その上で、体幹のさらなる強化をしていければと思っています。まだ、フィジカルの完成度は3割程度なので徐々に上げていきたいです」
今後の馬場は、9月16日開幕の住友生命Vitalityレディス東海クラシックを皮切りに国内ツアーに参戦することになるが、それまでの2週間で、管理栄養士と相談しながら可能な限りの増量、消費した筋力もトレーニングで戻していくことになる。米国やフランスで見せた平均270ヤードのドライバーショット、精度の高いアイアンショット、勝負強いパットをツアーでも披露するべく、馬場はコンディションを整え、技と心も磨いていく。
◆馬場咲希の今季戦績
【3月】
ヤマハレディース葛城 58位
【4月】
全米女子オープン日本予選会 4位※本大会出場権獲得
【5月】
関東女子選手権 優勝
ブリヂストンレディス 28位※ベストアマ
【6月】
全米女子オープン 49位
日本女子アマチュア選手権 9位
【7月】
全米女子ジュニア選手権 32強
関東ジュニア選手権 優勝
【8月】
全米女子アマチュア選手権 優勝
世界女子アマチュアチーム選手権 個人4位、チーム3位
■鎌田貴(かまた・たかし)
1962年4月15日、山形県新庄市生まれ。東海大学大学院体育学研究科修了(体育学修士)。プロアスリートのフィジカルトレーナーとして、幅広いジャンルのアスリートの体作りを担当。これまで、ホンダレーシングの専属トレーナーとして、ロードレース、モトクロス、トライアルで20人を超える多くのライダーをチャンピオンの座に導き、F1レーサーの角田裕毅も指導。女子ゴルフでは、宮里藍をプロ転向して間もない2004年から、米女子ツアーに参戦して3年目の08年まで指導した。現在はモータースポーツ、ゴルファーに加え、野球、陸上選手らを指導。次世代を担う若手アスリートの育成にも力を入れている。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)