幼少期にさせると有利なスポーツって何? 身につけると差がつく“体を操る”能力とは
子供にスポーツをさせている親なら、将来はオリンピック選手、プロ野球選手、Jリーガーなど、大きく育ってほしいという夢を描くもの。では、どんな道に進むにせよ、小さいうちにさせておくと有利になるスポーツはあるのか。未学習児から小学校高学年までを対象に体操教室を展開し、未来のトップアスリートを育てる元体操日本代表の岡部紗季子さんに聞いた。
子供をトップ選手に育てるためには何がオススメ? 元体操日本代表・岡部紗季子さんに聞く
子供にスポーツをさせている親なら、将来はオリンピック選手、プロ野球選手、Jリーガーなど、大きく育ってほしいという夢を描くもの。では、どんな道に進むにせよ、小さいうちにさせておくと有利になるスポーツはあるのか。未学習児から小学校高学年までを対象に体操教室を展開し、未来のトップアスリートを育てる元体操日本代表の岡部紗季子さんに聞いた。
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「3歳の男児を持つ親です。将来、子供にはどんな競技であれ、第一線のトップアスリートに育ってくれたら……という希望を持っているのですが、幼少期に体験させておくと有利になるスポーツはあるのでしょうか? また、小さいうちから鍛えた方がいい能力などあれば、アドバイスをいただきたいです」
今回は読者からのこの質問について、岡部さんに答えてもらった。「オススメしたい競技」として挙げたのは体操だ。何も、岡部さんが経験者だからというわけではない。メリットをこう明かした。
「体操は“体を操る”という字のごとく、自分の思った通りに体を動かせるようになることが大きい。例えば、小さい子に『バンザイして』と言っても、肘が曲がって伸ばし方がわからないような子が実は多い。回転したり、逆さになったり、非日常的な感覚が身につき、自分の思った通りに体を動かせるようになるのは、体操ならではと思います」
体操で身についた“体を操る”能力は、体操以外でも発揮される、という。
「例えば、サッカーで足を出したつもりでいるのに、思った場所に足が出ていないことがある。ここに手を出す、足を出すという感覚を正しく身につけることは、そういう場面で生きやすくなる。バスケットボールもそう。どうやったら自分の体を動きやすくなるか。感覚的にわかる時期にしっかりと身につけさせることは大事だと思います」
神経系が発達する“ゴールデンエイジ”に成長を
では、何歳から習わせると理想的なのか。
「いゆわるゴールデンエイジ(9~11歳)、プレゴールデンエイジ(3~8歳)は神経系が発達する時期。早ければ早い方がいいと思います。サッカー選手に『体操をやっていた選手は運動神経が良い』と言われることがありますが、体操選手だから運動神経が良いわけではなく、体操をするから運動神経が良くなると思っています。小さいうちは、やれば変われる。筋肉が柔らかくて伸びやすく、柔軟性が身につくので、体が柔らかければ怪我しにくい。小学高学年からやるよりも差はつきやすいです」
岡部さんは「大きくなってからでは体操は始めにくい。専門的にやる、やらないに関わらず、何かスポーツを始める一歩として、ぜひ、体操をやってほしいと思います」とも語った。
体操以外で勧めるのは水泳と球技だ。「水泳も体操と同じで、水に入る“非日常”の感覚が養われる。物を使う手具運動も特殊性がある。サッカーも全身運動という意味では、いい経験になると思います」と話した。
「小さいうちから鍛えるということは、筋力的なことは考えない方がいいと思います。『体幹をどう鍛えたらいい?』ということもよく聞かれますが、それも大きくなっていくうちに身についていくもの。小さいうちは公園で遊ぶことでも構わないので、体を動かすということを意識させてほしいです」
このように語った岡部さん。子供たちがスポーツを通じて成長し、一人でも多くのトップアスリートが生まれることを願っている。
(THE ANSWER編集部)