日本人に愛されたカナダ記者、鬼のツイート連発の裏にあったプロ魂「日本を感じたかった」【世界陸上】
オレゴン世界陸上が15日(日本時間16日)に米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで開幕し、連日熱戦が繰り広げられている。世界中の選手はもちろん、メディアも各国から集結し、選手たちの姿を報道。その中の一人に日本人に“愛された”海外リポーターがいた。現地で取材する「THE ANSWER」の記者が直撃。後編では、抜群のリポート力を支える“プロ魂”について聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
東京五輪で話題になったCBCレポーターを直撃取材
オレゴン世界陸上が15日(日本時間16日)に米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで開幕し、連日熱戦が繰り広げられている。世界中の選手はもちろん、メディアも各国から集結し、選手たちの姿を報道。その中の一人に日本人に“愛された”海外リポーターがいた。現地で取材する「THE ANSWER」の記者が直撃。後編では、抜群のリポート力を支える“プロ魂”について聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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パソコンを開き、フィールドを眺める。逐一、状況をキーボードで打ち込んだ。見たもの、聞いたもの全てを伝える勢いで、ツイッターの更新ボタンを押す。「何が起きているのか確認したいんだ」。記者席から真剣な眼差しでアスリートを見つめているのは、カナダ公共放送「CBC」のリポーター、デビン・ハーロウ氏だ。
「アスリート、コミュニティーのストーリーを伝えるのが大好きなんです。スポーツはコミュニティーだからね。カナダでは集まってアスリートを見る。人を一つにするものなんだよ。アスリートのストーリーをカナダの人々に伝えれば、みんなを一つにできるんです。ワクワクするよね。だから、自分の仕事が大好きなんだ」
昨年の東京五輪・パラリンピックで来日し、大会や日本文化、ボランティアの素晴らしさを51日間にわたって熱烈リポート。セブンイレブンに夢中になり、ツイッターには毎日のようにスナック菓子やおにぎりなど商品の写真を投稿した。日本に感激した様子は日本メディアに取り上げられ、大きな話題に。フォロワーが増え、日本人にも愛される存在になった。
ハーロウ氏は7月17日だけで72件の“鬼のツイート”。競技結果、選手のコメントだけでなく、会場の雰囲気や朝の散歩で見た街の景色、開催国の文化など幅広く伝えている。そこにはリポーターの醍醐味が詰まっていた。
「外国に行けば異なる文化に触れられる。日本では“日本”を感じたかったんだ。“日本”について知りたかった。だから、セブンイレブンのコンビニ文化についてツイートしたんだ。それで繋がれたよね。共感できたんだ。これこそ僕たちの仕事のあるべき姿だ。その場所へ行き、その人と話し、聞き、学んだことをシェアする。そうすれば、みんな親近感を持てる。僕はこれが大好きなのさ」
子どもの頃からスポーツ好きで「全てのスポーツを見ていた」と笑う。16歳の時、現在勤めているCBCから電話があり、ラジオ出演のオファーを受けた。「『あなたがスポーツを愛していることは知っています。ラジオでそれを話してください』と言ってきたんです。それでラジオで話しました。それからずっとこの仕事をしているよ」。現在35歳。“リポーター歴”は20年になる。