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箱根駅伝で優勝4度、大東大に復活の兆し “高校日本一”の名将が就任1年目で挑む改革

真名子監督の下で教え子ピーター・ワンジルが復活

 また、4年生で出場したのは大野だけで、他の主力は教育実習や怪我があって、走ることができなかった。

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「本来であれば(1万メートル)28分台を持っている4年生が走らなければいけない。でも、今回は大野と後輩たちが頑張って、全日本の出場権を得てくれた。今度は4年生が、それに返してください」

 走れなかった4年生に対しては、こんな言葉で鼓舞していた。

 今季、最も大きな変化が見られたのは、留学生のピーター・ワンジル(2年)だろう。

 実はピーターは、真名子監督の仙台育英高時代の教え子であり、高校卒業後に実業団で競技を続け、昨年大東大に入学した。しかし、昨年の箱根予選会では本大会出場の力になるどころか、まさかのチーム内最下位に終わるなど、1年時は苦しいレースが続いた。

 ところが今季、再び真名子監督の指導を受けるようになって、息を吹き返している。

「真名子先生が来てくれて嬉しい」と話すピーターは、5月に5000メートルで6年ぶりに自己記録を打ち立て、一気に約14秒も短縮した。さらに全日本選考会では、2組を任されると、2位に40秒超の大差をつけて、トップでフィニッシュした。

「陸上って、トレーニングだけじゃなくて、気持ちの部分がしっかり乗ってこないと結果が出ない。そういう意味では、彼も走れないことで落ち込んでいた部分があったと思う。チームメートに対して、少しずつ(心を)開けるようになってきたことが、今の彼の成長につながっているのかなと思います。

 それに、去年までは留学生の練習メニューをこなしていたと思うんですけど、今は日本人と一緒に練習をさせています。彼の中には『他大学の留学生に対抗しなきゃいけない』っていう思いがあって、それがプレッシャーになり、空回りしていた部分があった。でも、そこまで強くなくてもいいから、しっかり地に足をつけることが大事だと思って、練習をさせていました」

 真名子監督は、ピーターの復活の裏側をこう語る。全日本選考会では、各校のエースが集う4組ではなく、2組に配したのも、ピーターの心理面を考慮してのことだった。

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