箱根駅伝で優勝4度、大東大に復活の兆し “高校日本一”の名将が就任1年目で挑む改革
かつて箱根駅伝で総合優勝4回を誇る名門・大東文化大学も、その予選会では3年連続で敗退しており、低迷が続いている。だが、今季は明らかに過去3年間とは違う。シーズンは始まったばかりだが、復活の兆しがある。
今年から大東文化大を率いる真名子圭監督、全日本大学駅伝の出場権を5年ぶりに獲得
かつて箱根駅伝で総合優勝4回を誇る名門・大東文化大学も、その予選会では3年連続で敗退しており、低迷が続いている。だが、今季は明らかに過去3年間とは違う。シーズンは始まったばかりだが、復活の兆しがある。
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その予感を色濃く示したのが、6月19日に行われた全日本大学駅伝関東地区選考会だった。
この選考会は、各組1校2名ずつ、4組で1万メートルのレースを行い、計8名の合計タイムで競うというもの。11月に開催される本大会に出場できるのは20校中7校しかない。
大東大は、1組目を終えて14位と大きく出遅れながらも、2組目以降で巻き返し、最終的には5位に浮上。厳しい戦いを勝ち上がって、5年ぶりに本大会出場を決めた。
「まだ3か月かもしれないけれど、この3か月で君たちは間違いなく変わろうとしている。『強くなろう』『強い大東文化大学を取り戻そう』『復活させよう』と、そういった気持ちがすごく伝わるレースでした。監督としてもそうですし、いちOBとしても、すごく感極まりました」
レース後の集合時に、こんな言葉で学生たちを労ったのが、今年4月に男子長距離監督に就任した真名子圭(まなこ・きよし)監督だ。
真名子監督は、大東大OBで箱根駅伝には4年連続で出場。大学4年時には10区で区間新記録を打ち立てて区間賞に輝いている。実業団のHondaを経て、現役引退後に高校教諭となった。
2012年から昨年度までは駅伝の名門・仙台育英高に赴任し、今年の箱根駅伝1区で区間新記録を樹立した吉居大和(中央大3年)らを指導した。2019年の全国高校駅伝では通算8度目の全国優勝にも導いている。
実は、真名子監督が就任した時の仙台育英高は、低迷期の真っ只中だった。主力の集団転校があったり、東日本大震災の影響で練習環境も不十分だったりと苦しい時期だった。そこから数年足らずで、再び全国の強豪校へと復活させたのだ。
その手腕を評価され、今度は母校・大東大へ、指導者として帰ってきた。