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大谷翔平、未着用ユニはなぜ1400万円に? 先駆者だからこそ生まれた“青天井”の価値

実使用ではないサイン入りユニホームがオークションで約1400万円になった背景

 しかし大谷は予想を覆し、昨季は日本人2人目のMVPを獲得。サインボールで比較すると、渡米当初の約10倍以上の価格がつくまでになった。さらに「インスクリプション付きの額入りポスターが22万円。ポスターですらSHOW TIMEと付け加えるだけで22万円くらいになるんです」と松本代表は明かした。

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 ちなみにインスクリプションとはサインに添えられる日付や一言のこと。他のスター選手はインスクリプションが入ると3万円ほどのプラスになるのが一般的だが、大谷はなんと5万から10万の価格アップになるという。

「一般的な日本人選手のサインの価値には特徴があります。MLB挑戦時は期待もあってサインの価値は上昇し、時間が経つにつれて、価格が落ち着いていくというのが印象的です。ただ大谷選手は真逆の動きをしています。認知度と活躍と共に何段階も上がり続けています。今も価格は落ちていません」

 昨季の球宴では、MLBオークションが出品したサイン入りユニホームが大きな話題を呼んだ。「1番・DH」で出場。特別ルールが適用され、先発マウンドにも上がって勝利投手に。球史を変えた瞬間だった。

 ア・リーグの選手は紺色を基調とした統一ユニホームを着用。サイン入りユニホームもオークションに出品されたが、大谷のユニホームに入札が殺到。最終的に13万210ドル(約1432万円)という最高額で落札された。2位はMVPを争ったブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)の8520ドル(約94万円)であり、文字通り桁違いの価格だった。

 ここで特筆すべきなのが、このユニホームが実使用でも支給でもないということ。それに1400万円以上の値が付いた事実に驚いたファンも少なくなかった。ここまで跳ね上がった理由を松本代表はこう推測した。

「MLBでは正式に(投手・野手とは別に)“Two way player(二刀流)”という分類が生まれました。大谷選手は最初の二刀流に分類された選手、先駆者ですよね。先駆者はどのような挑戦をしても名が残ります。唯一無二の価値を持っていると判断した人が購入したと思われます。

 お金には代えられない価値があると判断されたんだと思います。そういう人たちが2名でも3名でもいれば、オークションでは青天井になる。だから約1400万円になったんだと思います」

 大谷は野球の概念を変えてきたまさに先駆者。そんな“プライスレス”の27歳はメモラビリア市場でも、確実に大きな影響力を持っている。

(後編は「サインの簡略化の背景と蔓延る偽サイン問題」について)

(THE ANSWER編集部・和田 秀太郎 / Shutaro Wada)

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