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世界2位フランス戦で輝けるか ラグビー日本代表、23年W杯へ期待される2人の新星

田村優を敢えて代表に戻さず山沢拓也を実戦投入

 キックでは、4回のコンバージョンすべてを失敗する不名誉な“記録”も残した。本人は「風が読めなかった。ウォームアップと試合中の風の吹き方が違っていた」と振り返ったが、実際にこの日の会場ではキックオフ前の風上の陣地が試合中に風下に変わるなど、風向きは刻々と変化していた。テストマッチでのキックの成否は風のせいでは済まされないが、先にも挙げたロングキックを含めてPGは3本すべてを成功している。キックに関しては、フランス戦が追試の場になるだろう。

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 試合後にジョセフHCは「山沢には、もっと経験を積んでもらいたい。経験を積むことで、もっといい選手になると思うし、これからジャパンのジャージを着て試合に出ることで馴れていくと思う。最初の試合としてはインパクトを見せただろう」と語っている。昨季まで不動の“10”に君臨した田村優(横浜)を敢えて代表に戻さずに選んだだけに、実戦投入しながら代表司令塔として経験値を上げていく可能性を示唆した。

 今回SOで選ばれたのは、山沢に加えて、初選出の中尾隼太(東芝ブレイブルーパス東京)、李承信(神戸)という若い布陣。そこに、秋にはコンディション不良で代表参加を見合わせた松田力也(埼玉WK)、そして復帰を目指す田村(横浜)という経験者が猛追してくるのは明らかだ。山沢にとっては、世界ランク2位のフランスとの2連戦で、どこまで実績、経験を積み上げていけるかが、23年へ向けた“10番争い”のキーポイントになる。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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