世界2位フランス戦で輝けるか ラグビー日本代表、23年W杯へ期待される2人の新星
日本代表は6月25日、北九州市小倉のミクニワールドスタジアム北九州で行われた今季のテストマッチ第2戦で、ウルグアイ代表を43-7と圧倒。同国からの2連勝で、最新の世界ランキングで2位のフランス代表との7月2連戦へ弾みをつけた。新旧メンバーが交じり合った編成のなかで、15か月後に迫るラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会のエース候補が存在感を見せ、新司令塔候補も第一関門を乗り越えた。8強入りした2019年W杯組ではない新しい力は、今週末から始まる世界最強の相手との160分間で真価が試される。(取材・文=吉田 宏)
ウルグアイとの第2戦に43-7で快勝、強豪フランスとの2連戦へ弾み
日本代表は6月25日、北九州市小倉のミクニワールドスタジアム北九州で行われた今季のテストマッチ第2戦で、ウルグアイ代表を43-7と圧倒。同国からの2連勝で、最新の世界ランキングで2位のフランス代表との7月2連戦へ弾みをつけた。新旧メンバーが交じり合った編成のなかで、15か月後に迫るラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会のエース候補が存在感を見せ、新司令塔候補も第一関門を乗り越えた。8強入りした2019年W杯組ではない新しい力は、今週末から始まる世界最強の相手との160分間で真価が試される。(取材・文=吉田 宏)
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W杯前年のテストマッチで連勝スタートした日本代表だが、選手は初陣との思いで80分間攻め続けた。前週18日に行われたウルグアイとの第1戦(34-15/秩父宮ラグビー場)のメンバーが代表候補、NDS(ナショナルディベロップメントスコッド)で編成されていたのに対して、今回は代表合宿メンバーで固めた布陣。会見ではジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)も満足そうに口を開いた。
「長い間ゲームができなかったことを考えるといい試合だった。ここから次のフランス代表戦へ準備をしていきたい」
指揮官が選んだメンバーによる2022年ファーストテストは、前週の34-15を遥かに上回るスコア。後半34分に許したトライまで相手を0点に封じ込めた。新たに参画した元ニュージーランド代表監督、ジョン・ミッチェル・アシスタントコーチの下で精度を高めてきたダブルタックルで、雪辱を期したウルグアイの攻撃を2次、3次でことごとく破綻させ、攻めては昨季までのハイテンポなラグビーをさらにギアアップ。その中心になったのが代表2シーズン目、この試合が5キャップ目のCTB(センター)ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)だ。
南アフリカ生まれ、オーストラリア育ちという楕円球の申し子は、2018年に埼玉WK入りしてから、容易なタックルでは止められないボディーバランスの高いランと、相手防御のギャップを突く鋭いスピードで不動の13番に定着。そのアタック能力で、外国人選手の代表規約をクリアした昨季、日本代表入りを果たした。
迎えた代表2シーズン目の初テストで、まずインパクトを残したのは防御だった。主導権争いが続く前半18分、ミッドフィールドでのウルグアイの右オープン攻撃で、パスを受けた相手CTBを飛び込むようなタックルで吹き飛ばした。9分後には、初めて日本陣地22メートルライン内に攻め込んできたウルグアイのサインプレーを読み切って、相手選手を仰向けに倒すハードタックルで封じ込んだ。リーグワンでも威力を見せてきたタックルだが、ウルグアイ相手の国際試合でも破壊力を証明した。