韓国が日本より「強かったとは思わない」 日韓W杯トルコ戦、ダバディが今も悔やむこと
当時の日本サッカーは「すべての面で足りなかった」
「人生ってプラン通りにいかないものだなと。日本代表としてロシア戦で素晴らしい試合をして、グループリーグを1位で突破して、波瀾万丈な4年間のチームの集大成として進化した姿を見せていたはずなのに、なぜあのトルコ戦で4年間で最悪の試合をしてしまうのか。でも時が経ってから思ったのは、そこなんですよね。やっぱり精神的にも、試合に向けたピッチ内外の準備においても、個々の選手の実力やサッカー文化の成熟度においても、あの時の日本はすべての面で足りなかった。
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でも僕は、ベスト4に進出した韓国が日本より強かったとは絶対に思わない。ある意味で彼らは、イタリアやスペインと決勝トーナメントで対戦できたことが助けになったのかもしれない。もしベスト16の相手がトルコやセネガルだったら、韓国も躓いたかもしれませんね」
あの不完全燃焼で悔しいトルコ戦の敗戦から20年。日韓W杯はダバディ氏にとって、どんな経験になったのだろうか。
「自国開催のワールドカップをチームスタッフの1人として体験できて、もちろん幸せだったし、ベスト16という結果を見れば、そこに至るまでの日々を含めて充実した大会だったと思います。トルコ戦の結果は残念だったけど、全体的に見れば大きな後悔はありません。
ただ、僕は20年が経った今も、日韓ワールドカップを“過去のこと”とは全然思えなくて……。これは日本に限った話ではないのですが、歴史は繰り返すというか、その後の日本サッカーを見ていると当時と同じようなミスを犯していて、それを見るたびに僕はすごく悔しい気持ちになる。2002年の経験が『役に立っていない』と思う時が、『2002年の経験があって良かった』と思う時より多いんですよね。あの大会での経験が日本サッカーの一つの始まりとして、いつかワールドカップのベスト8の壁を破って上へ行った時、そのスタッフの中に2002年大会の代表メンバーが入っていたら、歴史を未来につないだという意味で達成感を覚えると思います」
日韓ワールドカップ後はサッカー界から離れ、スポーツキャスターやジャーナリストとして多方面で活躍しているダバディ氏。それでももちろん、日本サッカーを愛する1人であることに変わりはなく、鋭い姿勢を今も投げかけている。この20年の日本サッカー界を振り返り「育成年代にもっと投資すべきだった」と持論を展開した上で、最後にこう語った。