韓国が日本より「強かったとは思わない」 日韓W杯トルコ戦、ダバディが今も悔やむこと
トルコに敗れた直後は「頭がぼーっとしていた」
「あの時は、すべてが上手くいかなかったんです。ホテル選び、移動のタイミング、グループリーグを突破して過信しているメディアの記事……。負けたことは偶然じゃない。やっぱりワールドカップは、グループリーグと決勝トーナメントは別の大会なんだなと。つまり勝ち上がるには、2大会分のガソリンとメンタルの強さを持っていないといけない。日本はチュニジア戦が終わって、エネルギーを一気にロストしてしまった。そしてあの日の宮城スタジアムも雨が降り、寒く、風も強かった。スタンドとの距離が遠かったからか、どこかそれまでの試合のような熱気を会場全体から感じることができなかったですね」
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日本がもしH組を2位通過していたら、この大会で史上最多5度目の世界制覇を果たすC組1位のブラジルと神戸で対戦することになっていた。首位通過を果たしたことで強豪との対戦を回避でき、相手は優勝候補には挙がらないトルコ――。グループリーグ突破後、日本中が“まだいける”というムードに包まれていたが、ダバディ氏自身、トルコ戦の直前にその考えが甘いことを痛感させられていた。
「試合前、ピッチに続くトンネルに立った時、隣に立つトルコの選手はみんなガッチリしていて、まるで格闘技の選手のような肉体でした。雨で濡れたピッチで戦う上で、重要なのは戦略とかフラットスリー云々じゃない。まさに男と男の、生死をかけるような闘い。
もちろん、実力的に日本が勝てない相手ではなかったし、前半の三都主のフリーキックも本当に惜しかった。でもトルコの1人ひとりのヨーロッパでの経験値を考えても、日本が勝って当たり前という試合ではなかったし、実際に始まったら向こうのほうが落ち着いていた。まるで2004年のEUROで優勝したギリシャみたいに、すごく球際に激しいサッカーをしていて。おそらく10回戦っても1回勝てるかどうかというくらいの差を感じて……、本当にあの90分間はつらかった」
試合終了のホイッスルが鳴り響くと、日本代表の選手も宮城スタジアムに詰めかけたファンも肩を落とした。ダバディ氏自身も落胆の色を隠せず、直後の監督インタビューでは「『何が起こったの?』という感じで、頭がぼーっとしていた」という。