「ベッカム様」フィーバーから20年 ソフトモヒカン大流行、日韓W杯で社会現象の背景
500億円超の資産「労働者階級のロイヤルファミリー」の声
それはさておき、ヴィクトリアと巡り合わず、忠実なファーガソンの息子であり続けていたら、バロンドール(世界年間最優秀選手)も手にしてサッカー選手として頂点に立ち、栄華を極めていたかもしれないという声はある。
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しかし日韓W杯を境に、サッカー選手を超えた世界のアイドルとなり、マンチェスター・Uで凄まじい数のレプリカユニフォームを売り上げ、イメージライト(肖像権)が年俸に組み込まれた史上初の選手となる。
スペインの名門レアル・マドリードに移籍した後には、まさにサッカー界最大の広告塔となった。近年のサッカー界を背負ったリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドの、スーパースターとしてのスケールが一回りも二回りも大きくなったのも、ベッカムの功績だろう。そして引退後も世界中から途方もない注目を集め続け、現在では日本円にして500億円を超えると言われる莫大な資産も築いた。
現在のベッカムは妻、そしてブルックリン、ロメオ、クルス、ハーパーという生まれ落ちた瞬間からセレブリティとなった4人の子供たちを加え、その6人家族は英国で『労働者階級のロイヤルファミリー』というべき存在となり、日常生活の他愛もない一挙手一投足まで報道される。
やはりこの知名度とステータスは、有名人妻にその容姿とファッション、そして豪華絢爛な私生活の話題が時代の憧れとぴったりと重なり、次々と化学反応を起こして人気の相乗効果を生み出した結果だ。
そして現在の存在感は一言で言って空前絶後。どんなに歴史的な活躍をして成功したとしても、一介のサッカー選手では絶対に到達できない名声の頂点を極めている。
(森 昌利 / Masatoshi Mori)