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日韓W杯16強は「最高の偉業」 トルシエが誇る日本での4年、成功を確信した試合とは

フラットスリーは「日本の守備文化の欠如を補うもの」

 トルシエ監督のチーム作りを語る上で、不可欠な言葉と言えるのが「フラットスリー」だろう。最終ラインの3人のDFをフラットに並べ、高く押し上げながら果敢にオフサイドトラップを仕掛け、コンパクトな布陣を維持する。世界的にも珍しかったこの守備戦術を採用した理由について、トルシエ氏は「アフリカで仕事を始めた時、このシステムを使って多くの勝利を手にしていたから」とした上で、日本特有の事情があったことを改めて明かした。

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「私が就任した当時、日本に守備の文化があるとは言えなかった。日本はイタリアのようなチームではなく、私はすぐに代表チームのDFは賢く、かつダイナミックでなければいけないと悟ったんだ。私の哲学は人を守るのではなく、ボールを守ることにある。ボールに対してプレスしなければならず、プレッシングには組織が必要になる。3バックは、日本の守備文化の欠如を補うためのものだった」

 当時の日本にとって、世界と戦うことは“格上”との対戦が中心になることを意味していた。欧州クラブに所属する選手がまだ珍しかった時代。大半がJリーグでプレーしており、海外選手の個の強さやスピードに対応するには組織的な守備の精度を高める必要があったという。

 一方でトルシエ氏は、“フラットスリー”が決して守るためだけの戦術ではなかったことも強調している。

「3バックでプレーすれば、後方から攻撃を開始する際により快適だった。3人でピッチの幅を使わなければいけないが、もしそれが(センターバック)2人の場合、攻撃を組み立てるのが快適ではなくなる。私はDFには、快適でいてほしかった。

 攻撃を組み立てる最高の組織は、最終ラインに3人のプレーヤーがいるものだ。3センターバックかもしれないし、2センターバックとサイドバックが残る形かもしれない。私にとってはこのバランスが重要だった。だから私は到着して早々、この組織をチームに落とし込んだ。このシステムでプレーできる選手を見つけられた私は幸運だと思う。日本には技術的に優れた選手がたくさんいる。それがこのシステムを組み込む際の、素晴らしいニュースになった」

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