サッカー日本代表とクラブの「密接な関係」 名GK川口能活が語る“両立”の大切さとは
Jリーグの理想はアカデミー出身選手がトップチームで活躍すること
サッカーファンのみならず日本国民の期待を背負って戦ったドイツW杯は悔しい結果に終わった。しかし川口自身はクロアチア戦でPKをストップするなど獅子奮迅の活躍を見せ、2006年のJリーグでは全34試合に先発してベストイレブンに選出されている。
「Jリーグは地域密着を理念に掲げています。そういった背景もあり、サポーターは自分たちが応援しているクラブの勝利が一番の喜びだと思います。その先に日本代表選手の輩出やそこでの活躍と貢献を期待していますが、まずはクラブを勝たせるためのパフォーマンスを求めます。『代表選手なんだからもっとやってくれ』という視線を向けられるプレッシャーも少なからずありました」
W杯は4年に一度の夢舞台で、サッカーを志す人間ならば誰もが目指す場所だ。対してクラブは毎日を過ごす日常であり、割いている時間も圧倒的に長い。
夢と日常の二者択一ではなく、ふたつは密接に関係し、つながっている。良い日常を過ごすから夢に手が届き、夢舞台に立った選手にはクラブシーンでのより高い日常を求める。
「W杯はサッカー選手全員にとっての夢で、誰もが本大会のピッチに立ちたいと願うもの。だから目指すモチベーションは当然高くなります。でも、目指していても調子が上がらない選手はいますし、コンディションが整わない場合もあります。たしかに言えるのは、クラブでどれだけ充実した時間を過ごせるかがW杯につながる、ということです」
昨今は特にアカデミー出身のJリーガーが増えた。彼らはサポーターから無条件に愛を注がれる存在で、それに対する感謝や忠誠心をパフォーマンスで表現する必要がある。
「アカデミー時代から応援していた選手がトップチームで活躍するという流れはひとつの理想です。代表ありきではなく、クラブでの活躍を求めるファンやサポーターは必ずいますし、どちらが正解という話でもありません。Jリーグが育ってきた証で、クラブのプライオリティは確実に高まっていると感じます」
1993年に開幕し、今年で節目の30年目を迎えているJリーグ。
通算7度目のW杯出場を決めた今だからこそ、さらなる熱を帯びた戦いが繰り広げられることを期待せずにはいられない。
■DAZN生配信(時間はキックオフ時間)
【4月28日(木)】第10節
19:00ジュビロ磐田vs名古屋グランパス
【4月29日(金)】第10節
13:05北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ
14:00清水エスパルスvsサンフレッチェ広島
15:00京都サンガF.C.vsアビスパ福岡
16:00柏レイソルvsサガン鳥栖
16:00セレッソ大阪vs鹿島アントラーズ
19:00FC東京vsガンバ大阪
【5月3日(火)】第11節
14:00名古屋グランパスvs京都サンガF.C.
14:00サンフレッチェ広島vs柏レイソル
15:00鹿島アントラーズvsジュビロ磐田
15:00湘南ベルマーレvs清水エスパルス
15:00サガン鳥栖vsセレッソ大阪
17:00アビスパ福岡vsFC東京
【5月4日(水)】第11節
14:00ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)