「人生を狂わされた」と元日本代表主将が笑う、エディー前HCとの“因縁”とは
「後輩に負けてから引退決めるのは腹が立つ」―菊谷氏の引き際の美学
「後輩に負けてから引退決めるのは腹立つなと。ぐいぐい来てくれる後輩を上から見下ろして終わってやろうかなと(笑)」
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一方で40歳を超えても続けるベテラン選手もいる。生涯現役――。そこへのこだわりよりも、次の道へ進むことへのこだわりが上回った。
「それも東芝の大野(均)さんとか、釜石シーウェーブスの伊藤剛臣さんらもいて、そういった道も考えましたが、そういうところは、先輩方にお任せしようかなと。キヤノンに在籍して4年経つというところで、コーチの勉強もしていて、区切りもよかった。長く現役を続けたあとに指導者の道に進んでも、出遅れているかもしれない」
指導者としての道がはっきりと見えていたからこそ、大きな迷いはなかった。そしてその道を示してくれた前日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ(現イングランド代表HC)の存在もまた大きかった。2014-15シーズン前のキヤノン移籍の際に、※サンウルブズのコーチ就任の話を持ち掛けられたという。
「エディーさんに来年から(サンウルブズの)FWコーチをしてもらえないかという話をもらいました。(キヤノン移籍から)2年しか経っていなかったので、その時は考えましたね。(キヤノンで)4年間はプレーしたいと思っていたので。今になって、それも思い出しました。あのとき自分がそう(4年)言っていたなと。エディーさんに断るときにそういった話もしていて、ちょうどよい区切りなんだろうなと思いました」
(※)サンウルブズは南半球最高峰のリーグ、スーパーラグビーに参戦する日本のチーム。ほぼ日本代表と言って差し支えない集団で、同リーグには2016年から参戦している。
当時は現役を続けたい意向も強かったが、日本最高峰チームのコーチというは実に魅力的だった。かなり悩んだ末に結論を出した。
「3週間くらいは悩みましたね。だた、話持ってきてくれたのがエディーさんだったので、ちょっと待てよと。それはだいぶ悩みました。さすがに(キヤノンを)やめられなかった」