来日12年、30歳で初優勝のサイ・ペイイン 一番しんどい時に救った日本人プロの言葉
サイの支えになった島袋美幸の言葉「ゴルフは長く続ける方がいいよ」
苦しい中で手を差し伸べたのは、ベテランプロでツアー5勝の島袋美幸だった。
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「島袋さんは結果のことは言わなくて、ボギーを打った原因を徹底的に聞いてきました。そして、それを次の日まで残さない。結果よりも、ゴルフの内容を追求していくから、私も段々と楽しくなりました」
一方でツアーでは、20歳前後の若手が上位を席けんするようになった。シード権を失う20代後半、30代のプロも多い中でも、サイは島袋からの言葉を胸に努力を重ねていた。
「『ゴルフは長く続ける方がいいよ』と言われてきました。若い人たちは、私がその年の頃よりも全然、上手だと思います。でも、ゴルフは奥が深い。(若手の)勢いは2、3年は持つかもしれないけれど、経験を重ねていくとミスの数も増えるし、いい状況は長く続かないかもしれない。良くなってすごく悪くなるのも、気持ちがしんどい。だから、私はちょっとずつ上がっていった方がいいと思います」
「勢い」ではなく、ゴルフの奥深さを知って勝利を手にしたことで、サイは「まだまだゴルフを磨いていきたくて、世界レベルになりたいです。賞金はそのために貯金します」と言った。伸びしろのある30歳。今後のツアーで目の離せない存在になりそうだ。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)