4人1バッグで「ボールは借りられますか?」 初心者が集うゴルフ場で今、起きていること
国内外でゴルフ人口が増えている。特にこの2年は、新型コロナウイルス感染拡大により、ゴルフが屋外で安全にプレーできることが広く認知され、国内のゴルフ場、練習場でも来場者が増加している。一方で、バブル期(1990年前後)のゴルフブームとは違う様相があるという。ブームを歓迎する関係者たちが、「THE ANSWER」に「今、ゴルフ場で起きていること」と「ブームを一過性のものにしないための対応策と工夫」を明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)
来場者増加もバブル期とは違う様相、関係者が考える「2025年問題」対応策
国内外でゴルフ人口が増えている。特にこの2年は、新型コロナウイルス感染拡大により、ゴルフが屋外で安全にプレーできることが広く認知され、国内のゴルフ場、練習場でも来場者が増加している。一方で、バブル期(1990年前後)のゴルフブームとは違う様相があるという。ブームを歓迎する関係者たちが、「THE ANSWER」に「今、ゴルフ場で起きていること」と「ブームを一過性のものにしないための対応策と工夫」を明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)
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R&A(全英ゴルフ協会)は昨年12月14日、スポーツ・マーケティング・サーベイズ(SMS)との調査によって、世界全体のゴルフ人口は、過去5年間で6100万人から6660万人に増加し、これまで最高だった2012年の6160万人を上回ったと発表した。その上で、R&Aの最高開発責任者フィル・アンダートン氏は「新型コロナウイルスのパンデミックにより、このスポーツが屋外で安全にプレーできると広く認知されるようになった過去2年において顕著だった」などと述べている。
今年1月20日に発表された経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」でも、昨年年1~11月のゴルフ場の売り上げと利用者数は、1月と8月を除いて前年同月比100%を上回っている。特にハイシーズンの利用者数は顕著で、4月で161.2%、5月で130.8%を記録。練習場については、売り上げ、利用者数ともすべての月で100%を超えている。
確かに私の感覚でも、昨今はゴルフ場の予約が取りづらくなり、練習場で打席に入れるまでの「待ち時間」があるケースが多くなった。そんな中、関東のゴルフ場でプレーする機会があり、旧知の職員に来場者状況を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「ありがたいことに増えていますね。特に若い人が増えて、1組4人全員が初心者というケースもあって、中にはその日に初めてクラブを握る人もいました。当然、ルールも知らないので、ティーグランドにボールを置いて、そのまま直ドラ(ティーを刺さないドライバーショット)でボールを打つなんて光景も目にしました。これはさすがに驚きました」
千葉県大多喜町のマグレガーCCで勤務するマグレガージャパン(株)企画開発部の松下健課長も「先日も、初心者の方と1、2回の経験がある方々だけで3組12人でいらっしゃいました」と証言した。バブル期のブームでは、ゴルフ好きの上司が部下を連れてルールとマナーを厳しく指導するケースが大半だったというが、昨今は「若い人たちだけでゴルフに挑戦」というスタイルが珍しくなく、松下氏もさまざまな光景を目にしているという。