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観る者の心を揺さぶった高木姉妹の絆 恩師が忘れられない2人の「真のアスリート」の姿

金メダルを獲る選手は「努力するベクトルの大きさが違う」

 そんな努力を重ねてきた2人は、紆余曲折を経ながらも2018年の平昌五輪に同時出場。団体パシュートで共闘し、姉妹で金メダルを手にした。2人のそんな姿を見て、東出さんは「私もこれまでスケート部の監督として、インターハイで優勝した選手を十何人も見てきたけど」と口を開くと、こう続けた。

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「やっぱり精進する、努力するレベルが違う。菜那も美帆もタイプは違うけど、一流になって金メダルを獲るような選手は、努力することのベクトルの大きさが違うんだなと。真のアスリートというのは、こういうことなんだと改めて気づかされましたね。

 本当に指導者冥利に尽きるというか、こんな素晴らしい選手と巡り会って今も楽しませてもらっている。私にとってはもう平昌で夢が実現したから、北京は夢が続いているだけ。だから2人には悔いのないレースをしてほしいのが一番で、たとえメダルが獲れなくてもなんとも思わないし、ご苦労さんと言ってあげたい」

 迎えた北京五輪の団体パシュート決勝、カナダと接戦を繰り広げた日本は、最後のコーナーで最後方にいた姉・菜那が転倒。2大会連続の金メダルを逃すと、レース後に涙を流した。7日の女子1500メートルの試合後、自身が8位に終わった悔しさとともに、「妹にこの種目で金メダルを獲ってほしかった。チームパシュートではみんなで奪い返せるように頑張りたい」と言葉を詰まらせながら語っていた菜那。それだけに悔やんでも悔やみきれない結果となり、涙が止まらなかった。

 そんな姉を美帆はチームメイトとともに励まし、「私の中では、もっと最初の方で何かできたことがあったんじゃないかと。後半の戦いになる前に、チームにリズムを作れたんじゃないかという思いがある」とかばった。

 恩師の“夢の続き”は、北京でまだハッピーエンドを迎えることはできていない。団体パシュートでは涙の銀メダルとなったが、お互いを高め合い前進し続けてきた姉妹は、これもスケート人生における一つの糧とし、次のレースへ全力で挑むに違いない。

(THE ANSWER編集部・谷沢 直也 / Naoya Tanizawa)

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