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13歳で世界を制したスノボ村瀬心椛 岐阜から片道3時間のジャンプ台で磨いたエア技術

立山KINGSが誇る日本最大級のジャンプ台「BANGER」【写真提供:立山KINGS】
立山KINGSが誇る日本最大級のジャンプ台「BANGER」【写真提供:立山KINGS】

3時間の練習で大技習得「間違いなく将来、世界トップで活躍する」

 当時の村瀬は小学校高学年。一日中滑り、納得がいくまで技を磨いていたという。石川さんは「スノーボードってただ滑るだけじゃなく、スタイルというか、かっこよさを求める部分がある。彼女自身は当時からそこをすごく意識して練習をしている感じがして、男性ライダーの動画もよく見ているんですが、それを真似て、スタイルを磨きながらトリックのレベルも上げていきました」と、7年前からスノーボーダーとして成長する姿を見てきた。

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 なかでも、特に印象に残っているシーンがあるという。

「当時まだ彼女がバックサイドダブルコーク1080(縦2回転、横3回転)を習得していなかった頃、挑戦してみようということでトライすることになったんです。そうしたら1セッション(3時間)の練習をしただけで、できるようになって……。その瞬間にこの子は間違いなく、将来世界のトップで活躍するライダーになるんだろうなと思いました」

 順調に成長を遂げるなかで世界を驚かせたのが2018年5月、ノルウェーのオスロで開催されたXゲームの女子ビッグエアだ。当時13歳の村瀬は、世界最高峰のこの大会に初出場も、臆することなくバックサイドダブルコーク1260(斜め軸に縦2回転、横3回転半)の大技を成功。同年に行われた平昌五輪金メダルのアンナ・ガッサー(オーストリア)らを抑えた初優勝の快挙は、北京五輪に向けた新星出現と大きく注目された。石川さんも「彼女自身すごく嬉しかったのか、Xゲームで優勝した時のメダルを持ってきてくれて、スタッフ全員にかけてくれたんです。あの瞬間はやっぱり、今までやってきたものが実を結んだというか、自分たちも嬉しかったですね」と当時を振り返る。

 だがその翌シーズン、村瀬は右膝を骨折する大怪我を負い、長期間のリハビリへ。14歳で迎えた試練の時となったが、ある程度ジャンプができるようになると立山KINGSを訪れ、「(着地点が)エアマットなので雪上よりはトレーニングに入りやすい」(石川さん)こともあり、復帰へ向けて一歩ずつ前進していった。

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