平野歩夢、東京五輪から半年で勝てた理由 スケボー監督が見た「雪と陸」を分けない思考
東京五輪後に生きたスケートボードの経験、始まった冬の快進撃
東京五輪のスケートボード男子パークの日本代表は、結果的に平野1人だった。代表に選ばれること自体、簡単ではない競技だったことが分かる。
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本番では、上位8人で争う決勝には進めなかったが、「世界のレベルは本人が一番よく分かっている。それをどういうふうにやって打ち破っていくかということだった。東京では(力を)出し切ったんじゃないかなと思う」と西川さんは言った。
東京五輪が終わり、冬に切り替わると“二刀流”の経験が生きた。前哨戦のワールドカップ(W杯)で立て続けに優勝。1月には世界最高峰の「Xゲームズ」でトリプルコークを着地し、注目を浴びた。ブランクなど微塵も感じさせない。むしろ進化していた。堰を切ったような凄まじい活躍ぶりだった。
プレッシャーのかかる北京五輪の決勝3本目。ラン直前の心境について平野は、「緊張とかではなくて、いつもとはまた違う気持ちというか、思い切ってすべて出し切る気持ちでかなり集中して入っていた」と話した。誰もやっていないことをやってきた自負と経験が、平野の心を支え、土壇場での逆転劇につながった。
(水沼 一夫 / Kazuo Mizunuma)