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「あの4トウの映像は観られない」 20年経っても消えない“五輪4位”本田武史の悔恨

重圧はあったが「不思議と楽しかった」

 本田はさらにこう続ける。

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「世界選手権は毎年、でもオリンピックは4年に一度。4年間練習してきて、たった7分で人生が変わる。7分で4年間のすべてを出さないといけない。そのプレッシャーはありましたが、それでも不思議と楽しかったですね」

 自身の経験も踏まえて、だから本田は羽生結弦にもネイサン・チェン(米国)にも、出場するすべての選手に、まずは悔いのない演技をしてほしいと願う。

「結果が求められるのはもちろんです。ただ、例えば樋口新葉は平昌の代表から落ちて、4年間やってきてつかんだ北京です。まずは、その想いを出してほしいですね。選手みんなに、わずかな演技の時間を、思う存分楽しんでほしい。結果はその後のことです」(文中敬称略)

(松原 孝臣 / Takaomi Matsubara)

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本田武史


1981年3月23日生まれ、福島県出身。14歳で全日本選手権初優勝を果たすと、98年長野五輪に16歳で初出場。2002年ソルトレークシティ五輪にも出場し、4位入賞を果たした。世界選手権で銅メダルを2度獲得したほか、日本人選手として初めて競技会で4回転ジャンプを3回成功させる偉業を成し遂げるなど、日本男子フィギュア隆盛の礎を築いた。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、テレビ解説者、そして指導者として後進の育成に力を注いでいる。

松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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