フィギュア界にかつてあった“4回転論争” ひたすらに理想を求めた高橋大輔の銅メダル
4回転ジャンプを回避したら「自分に負けたことになる」
「初めから回避という選択はなかったですね。まずは自分の理想の演技をすることが目標で、理想の中に4回転ジャンプは組み込まれていました。そのためのプログラムを作ってきたのに、回避してしまったら、すべてが無駄になりますよね。自分に負けたということにもなります」
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自分の目指すべき場所=理想を、試合の、フィギュアスケートの状況によって揺るがすことはなかった。ただひたすら理想を追い求めた先にあったのが、銅メダルだった。
しかも1シーズン欠場する大怪我からの復帰を経てのメダルだ。だから次の言葉には、格別の重みがあった。
「演技の内容に満足しているわけではありません。でもメダルを獲れたことはすごく嬉しかったし、そこまでのプロセスでは本当に頑張れたと思う。今回は自分を褒めてあげたいです」
銅メダル、そしてそこまでに至る足取りも含め、高橋大輔というスケーターとともに記憶されたのがバンクーバー五輪だった。
(松原 孝臣 / Takaomi Matsubara)
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