北京五輪の日本は「冬季史上最強」 橋本聖子会長が語る、コロナ禍でスポーツが与える力
2030年札幌大会招致、カギは「開催能力」と「SDGsの達成」
――北京大会は2030年札幌五輪招致の機運を高める側面もあります。現時点での招致のポイントを教えてください。
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「今年中に決まるかもしれないですね。やっぱり開催能力を見てほしいと思います。五輪・パラリンピックを開催したい国はたくさんあっても、開催能力のある都市はものすごく限られてきている。能力があったとしても、今度は環境的な問題、財政的な問題、様々な問題により開催できる国、都市はひと握りになってきています。
その中で札幌は、世界でもウインタースポーツのメッカですよね。前回の札幌五輪は観光都市・札幌のスタートラインだったと思いますが、今度はどうやってそれを持続可能なものにしていくか。それが打ち出されないとあまり意味がない、価値のない2030年になってしまう。その付加価値をつけるためにも2030年を招致する意味があると、広く認識してもらわなければいけないと思います。エネルギーの問題も含めて完全に持続可能な、SDGsの目標を達成しないと、2030年は指名されないということにIOC(国際オリンピック委員会)の基準でなっていますので、そこが本当の意味での国際都市になれるか、なれないかの分かれ道だと思います」
――最後に日本選手団にエールをお願いします。
「コロナで非常に困難な状況だったり、ストレスが溜まったりということで、可能性が閉ざされてしまった部分がたくさんあると思いますが、そういう中でも五輪・パラリンピックは開催されます。困難な状況の中で迎える北京大会をみんなが頑張ることによって、そしてその大会を楽しむことによって、多くの方の心に訴えかけるものがあるでしょう。ぜひ選手団には自信と誇りを持って、多くの人に喜びを届けてもらうために頑張ってほしいなと思います」
(水沼 一夫 / Kazuo Mizunuma)