北京五輪の日本は「冬季史上最強」 橋本聖子会長が語る、コロナ禍でスポーツが与える力
バブル方式の中での闘い方、スポーツが与える力とは
――入国が厳しく、スタッフは限られています。選手の家族は日本から応援します。
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「アクレディテーションカード(大会参加資格証)を非常に少なくしていますし、絞られた人しか行けない状況です。あと隔離期間が長いというのもあります。アクレディを持っていると、入国後3日間待機。日本に帰ってきてからは7日間(1月29日に10日間より短縮)です。その間は自粛ですから。帰ってきてからもそういう制約があり、できない方々は行けないですよね。世紀の瞬間というのが今回もいくつもあると思いますから、せめて選手の家族には(生観戦で)見てもらいたかったですね」
――バブルの中で選手が抱えるストレスも多いです。どのように気持ちを試合に持っていけばいいのでしょうか?
「競技としてはずっとシーズンに入ってからワールドカップ(W杯)、世界大会、どの選手もコロナ禍でやってきていますから、コンディショニングのやり方は万全だと思います。ただ、ここにきてのオミクロンは全く症状が出ない状況でも感染者がいますので、見えない敵との闘いになっている。選手たちは考えられる限りの最善策を取って今、準備をしている。とにかく、これだけの感染対策をしているんだっていう自信を持って、ストレスを溜めないでコンディションを整えていくしかないですよね」
――オミクロンまん延の中での大会開催には賛否もあります。改めてスポーツが与えられる力とは?
「スポーツを親しむ、楽しむことは人として生きていく上で、幅広い分野で重要なものになっています。あらゆる業界、業種、団体、そういったものをまとめることに、非常に柔軟な役割を示す力を持っているというところがスポーツの魅力であり、価値であると思いますね。食文化がつながったり、福祉や医学、科学などにも及んでいます。障がい者スポーツはリハビリから生まれましたが、障がいを持っているからこそ生き抜いていく力を磨き上げ、共生社会や多様性、調和というようなことに大きな波及効果を発揮します。スポーツというものが一つ入るだけで、すべての分野が自然に融合されるんですよね。これは大変不思議な力であると同時に、人類が必要として生み出してきたものです。多くの方々が、どの分野の人もスポーツは楽しみたいと思って五輪やパラリンピックを見てもらっていますから、そこに大きな魅力があると思います」