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リーチ絶賛の“エース候補”に秘密兵器も… ラグビー新リーグで輝く次代の“桜戦士”7選

西川大輔が放つ可能性にも要注目

 李と同期で、リコーブラックラムズ東京で2シーズン目を迎えたFBメイン平も、将来性を発散する。メインも昨季トップリーグでデビューを果たし、その可能性を印象付けた選手。対戦相手、自チームのコロナ感染で、3節終了時点でチームは第1節のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪戦しか消化できていない。CTBで先発したメインは、相手とのスペースがない位置でのプレーが多く、自慢のランを十分には見せられなかったが、攻守にコンタクトで当たり負けないフィジカリティの高さを証明。後半12分には相手BKのファンブルボールに反応し、好捕してのロングゲインからオフロードパスでボールを生かすなど、スピードとスキルの高さを印象づけた。

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 李やディアンズと共通するのは、メインも大学進学を選ばず、奈良・御所実高卒業後はニュージーランドのクラブチームでのプレーを経てBR東京とプロ契約を結んだこと。現在の大学3年生と同じ世代で、最高峰リーグで主力メンバーに食い込んでいるのだ。ベストポジションは、プレシーズンマッチでプレーしてきたFBだろう。一見するとスピードを感じないランニングフォームだが、チームでトップクラスの俊足と、スピードに乗りながらのギャップに切れ込むステップ、天性の間合いで、防御をベースにチーム作りを進めてきたBR東京の攻撃に良いアクセントを加えている。

 同じBR東京では、入団2シーズン目ながら開幕節が初陣だったWTB西川大輔も強烈なインパクトを見せた。開始4分に、キックカウンターから迷いなく突っ込んで相手の反則を誘い、その後のトライに結び付けた。出身校は愛知・中京大。関東、関西の全国区の強豪大学とは違う環境からトップチーム入りして、いきなりの真っ向勝負でポテンシャルを見せた。本職はCTBだが、すでにプレシーズンでもWTBで先発出場を続け、BL東京との練習試合ではディフェンス3人をパワーで突破してのトライを見せるなど、実績を評価されての公式戦デビューだった。

 防御面では、開始10分に相手WTBラリー・スルンガとの1対1の勝負で突破を許すなど粗削りなところも見せたが、フィジカル面では左オープン展開に右サイドからライン参加して、相手のSOで南アフリカ代表のエルトン・ヤンチースを負傷交代させ、CTBリサラ・シオシファにも強烈なヒットをお見舞いするなど、フィジカル勝負で通用することは十分に証明してみせた。後半20分には、SOアイザック・ルーカスの右展開をフォローしてデビュー戦トライを決めるなど攻守に存在感をアピール。無名の秘密兵器だが、その可能性は要注目だ。

 西川の逆サイド、左WTBで先発した同期の栗原由太も原石としての輝きを放った。主将も担った慶応大時代は西川と同じCTB。神奈川・桐蔭学園高ではNO8というキャリアだが、不慣れなアウトサイドBKでも、持ち味のフィジカルの強さを生かして、確実にキャリー、ラック参加でボールを生かし、高い運動量を生かした積極的なサポートから2トライを奪うなど結果に結び付けた。いわゆる快足系のWTBではないが接点に強く、ボールキープと、ブレークダウンで力を発揮する馬力型BKとしての可能性を感じさせるプレーぶりだった。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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