マイナー競技が苦労する活動資金の捻出 大手企業と次々連携するラクロス協会の挑戦
継続型クラウドファンディングやラクロス専門オンライン配信サービスにも着手
いまやスポーツ界ではチームや選手の活動を支援するクラウドファンディングが一般的になってきた。JLAでも2020年4月に「READYFOR」で「Keep The Future of Lacrosse ラクロスの未来をつなごう。」というクラウドファンディングを実施し、開始から3日間で1000万円を超える支援が集まった。その支援を元にラクロスの楽しさを伝える広告をSNS上で展開。思うように新勧活動ができない学生たちをサポートした。
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その当時は一度限りで終わったサポートを継続的なものにしようと、昨年11月24日から同じく「READYFOR」を舞台に「Japan Lacrosse Founders(JLF)」というマンスリーサポートプログラムを開始。ひと月ワンコインの支援から日本ラクロスの未来を担う「共同創設者」になることができるサービスで、協会もチームも選手もファンも、みんなでスポーツの未来を作るプロセスに関わることができる新たなスポーツの在り方を目指すものだ。
JLFでは支援金の使い道を「日本代表強化支援」「Lacrosse for Everyone」「メディアブランディング」「指定地区応援」の4コースの中から選択することができる。支援者には年に一度、オンラインイベントに参加し、自身の意見を発表することもできる特典が与えられる。スポーツ界では珍しいサブスクリプション型の支援を通じて、競技とより深い繋がりを感じてもらおうというものだ。
12月24日までの1か月間で133人が支援者として名乗りを上げ、年間でおよそ200万円のサポートが集まっている。“マイナースポーツ”と呼ばれる競技の中には活動資金の捻出に苦労するものが少なくないが、この取り組みは新たな収入源の形としてモデルケースとなる可能性もありそうだ。
さらに、昨年11月22日からライブ配信・動画サービス「rtv社」とパートナーシップを結び、ラクロス専門オンライン配信サービス「Japan Lacrosse Live by rtv」を開設。2022年から各地区リーグ戦から日本代表戦までJLA主催の公式戦をライブ配信(一部無料)、アーカイブ配信(一部無料)、ハイライト配信(無料)することになった。試合映像の他、インタビュー映像や対談企画なども予定されており、短期的な収益を目指すのではなく、5年後、10年後を見据えて着実に育てていく方針だという。
新たな挑戦を続けるラクロス界の姿には、新たな価値観が生まれつつある社会の中で生き抜くヒントが隠されていそうだ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)