365日稽古する空手五輪王者・喜友名諒 あの夏、伝えたかった「真の継続は力なり」
次世代への想いとは「そういう空手界にしていきたい」
最大収容人数は約1万4000人の日本武道館。全日本選手権は50%を上限とし、その多くが埋まった。「予選から拍手をいただいた。本当にたくさん応援していただいている。五輪を見に来る予定だった方々もたくさん来ていると思うので、そこで形を見せることができて感謝の気持ちがあります」。無観客の東京五輪で得たものとは違う喜びと、金メダル獲得の確かな影響を感じた。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
相手と直接対決せず、仮想の敵を倒すことを目的とした競技。技の正確性や力強さ、表現力などで優劣を決める。東京五輪では、喜友名や女子形で銀メダルに輝いた清水希容(ミキハウス)の演武が感動を呼んだ。しかし、24年パリ五輪では実施されない。空手界は五輪競技復帰に向けて動いている。
競技の裾野を広げるには、スーパースターの存在が欠かせない。絶対王者・喜友名は言う。
「ずっと目標を持って続けることの大切さも感じていますし、その環境があることに感謝したいです。空手の道は一生続く。しっかり鍛錬し、自分が見てきた先輩方のように、背中を見せられるように。そういう空手界にしていきたい。
自分には伸びしろもたくさんあると思います。自分がどこまでいけるのか。空手を研究し、稽古をして、どういう空手ができるのか。精進していきたい」
最強の空手選手はこれからも変わらず稽古を続ける。先を見据える大きな目は、再び鋭さが増していた。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)