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365日稽古する空手五輪王者・喜友名諒 あの夏、伝えたかった「真の継続は力なり」

2021年も多くのスポーツが行われ、「THE ANSWER」では今年13競技を取材した一人の記者が1年間を振り返る連載「Catch The Moment」をスタートさせた。現場で見たこと、感じたこと、当時は記事にならなかった裏話まで、12月1日から毎日コラム形式でお届け。第20回は、東京五輪男子空手形金メダルの喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が登場する。12日の全日本選手権(日本武道館)では、自身の史上最多記録を更新する10連覇を達成。子どもたちに継続することの大切さを説いていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

12日の全日本選手権、演武中に気合の入った雄叫びを上げる喜友名諒【写真:浜田洋平】
12日の全日本選手権、演武中に気合の入った雄叫びを上げる喜友名諒【写真:浜田洋平】

一人の記者が届ける「THE ANSWER」の新連載、第20回は空手・喜友名諒

 2021年も多くのスポーツが行われ、「THE ANSWER」では今年13競技を取材した一人の記者が1年間を振り返る連載「Catch The Moment」をスタートさせた。現場で見たこと、感じたこと、当時は記事にならなかった裏話まで、12月1日から毎日コラム形式でお届け。第20回は、東京五輪男子空手形金メダルの喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が登場する。12日の全日本選手権(日本武道館)では、自身の史上最多記録を更新する10連覇を達成。子どもたちに継続することの大切さを説いていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 10連覇を達成し、コートの横で閉会式が始まるのを待っている時だった。「きゆなせんしゅ~! おめでとうございま~す!」。日本武道館の上階席。四方八方からひっきりなしに無邪気な声が飛んだ。空手に打ち込む子どもたちにとって、喜友名はスーパースター。一つひとつに返すのも大変なくらい続いたが、両手を振って応える姿はどこか心地よさそうだった。

 優勝後のインタビュー。大きな目から演武中の迫力と鋭さは消え、沖縄訛りの柔らかい口調で想いを届けた。

「連覇は一回も意識したことがありません。佐久本先生の稽古についていきながら、目標に向かい、継続して一つひとつ集中した結果が10連覇に繋がった。空手は稽古をすればするほど難しい。その中で技術を磨いています。毎日の積み重ねです。たくさんの子どもたちにも継続することの大切さを感じてもらえたらいいなと思います」

 五輪で初めて実施され、初代王者に。「次は世界選手権があるとわかっていたので」と金メダル後も休みを一日も取らず、11月の世界選手権でこの種目初の4連覇を達成した。この日は出場16人、全46演武の中で最高の28.48点を叩き出し、前人未到の全日本10連覇。圧倒的な強さを身につけた背景には、長年続けてきた鍛錬があることに他ならない。

 5歳から競技を始め、中学3年で劉衛流龍鳳会会長の佐久本嗣男氏に出会った。世界選手権3連覇を含む世界大会7連覇を果たし、ギネスブックにも載った師匠。「少しでも佐久本先生の技術を盗めるように精進したい」。喜友名は「365日、稽古をする」という入門当初の約束を守り続け、休みなしで精進してきた。

 継続は力なり。耳慣れた言葉を真に体現してきたからこそ、今の領域にたどり着いた。長年の鍛錬で得た心・技・体。五輪の影響力を感じたこの夏、「継続の大切さを知ってほしい」という想いは、より大きく膨らんだ。

「自分が稽古をしている中で、佐久本先生からずっと伝えられている言葉です。自分の目標があり、そこに向かってやっていれば続けていくことができる。その中で精神面も鍛えることができると思います。特に五輪という大きな舞台だったので見ている人も多かった。そこでたくさんのことを伝えられたかなと思います」

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