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「ワクワクする選手がいない」 大久保嘉人が日本の若手に警鐘「このままでいいのか」

決定機で味方にパスを出せば「必ず次に戻ってくる」

 個人の技術だけではなく、チーム内でのプレーについても大久保は若手FWに苦言を呈する。

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「俺は、試合で自分だけに点を取らせろとは言っていないんです。点を取ればチームが勝てるので、その点を取るための確率を求めている。例えば、シュートシーンで相手GKがいて、狙える角度がなければフリーの選手に出す。でも、そういう選手ってあまりいない。角度もないのに強引に打ってサイドネットに当てる。そういう時は『おい、何してんの? 自分のことしか考えていないの?』と思うし、めちゃ腹が立つ。でも、そこで味方にパスを出していれば、必ず次に戻ってくるんですよ。そういうのを、若いFWには分かってほしいなって思いますね」

 大久保の気性の荒さや勝気な言動など表層の部分だけをなぞっていると、彼の本質を見失う。本能や嗅覚という言葉だけではないところに大久保の凄さがあることを、見逃がしてはいけない。

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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大久保嘉人


 1982年6月9日生まれ、福岡県出身。国見高3年時に高校3冠を達成し、インターハイと高校選手権では大会得点王を獲得した。2001年にセレッソ大阪でプロキャリアをスタートさせると、闘争心溢れるプレーで存在感を発揮。03年に日本代表デビュー、04年にはU-23日本代表の一員としてアテネ五輪に出場、10年にはA代表の主力として南アフリカW杯ベスト16進出に貢献した。マジョルカ、ヴォルフスブルクでのプレーを挟みながらヴィッセル神戸に通算6シーズン在籍すると、13年に川崎フロンターレに移籍。1年目でキャリア最多26ゴールを決めると、史上初のJリーグ3年連続得点王の偉業を達成した。今季、古巣のC大阪に復帰し歴代最多となるJ1通算191得点にゴール数を伸ばすも、11月19日に今季限りでの現役引退を発表した。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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