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7mしか泳げなかった子供も… 伊藤華英さんは大船渡の子供をいかに成長させたのか

「1年間、成長を見られてうれしかった」と伊藤氏は振り返った【写真:村上正広】
「1年間、成長を見られてうれしかった」と伊藤氏は振り返った【写真:村上正広】

伊藤さんが最後に子供たちに贈った“ある言葉”とは

「みんな、見違えるような泳ぎになった。ただ、タイムよりも一つ一つの積み重ねが成果につながるということ。失敗はチャレンジの証拠。いっぱいチャレンジして失敗を経験してください。帝京大ラグビー部の岩出監督は『壁にぶつかり、倒れた時にすぐに立ち上がれる人間が一流。少し時間がかかる人間は二流。立ち上がれずに寝転んでいる人間は敗者だ』と言っています。

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 また『一生懸命やっているだけでは人に感動してもらえる人間にならない。周りに応援してもらえる人間になるにはつらいこと、苦しいことにぶつかったときに楽しむことが重要』とも言います。どんな状況でも楽しむんだという気持ちが未来につながる。学校の授業、イベントいろんなことがあっても面倒くさがらずに取り組むことで、きっといい時間を過ごせると思います」

 締めくくりには、子供たち一人ひとりが1年間を振り返った。「スター選手のおかげでうまくなれた」「動画見ることでアドバイスをもらって生かすことができて良かった」と次々に語り、細谷さんは「速く泳げるようになった。1年間、うまくできないこともあったけど、華英コーチに教えてもらって楽しく泳げた」と初々しく話すと伊藤さんから修了証をもらい、笑みがこぼれた。

「あっという間に身長が大きくなったり、顔が変わったり、1年間、成長を見られてうれしかったです。動画だけど、1か月に1回会えるような気分でした。いまどきの最新のテクノロジーを使い、みんなと近くにいられました。また、みんなの存在を通して、この地に来られ、水泳の役割についても考えさせられました。ここで学んだことをみんなも今後に一生懸命に生かしてください」

 伊藤さんは最後にこう話し、拍手で送られ、会場を後にした。ただ、タイムを伸ばすだけじゃなく、どんな壁にぶつかっても前を向き、挑戦し続けることで得られることがある。それが、成長につながる――。前進を続ける大船渡で生きる子供たちに残した思いは、長い人生の糧になるだろう。

(THE ANSWER編集部)

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