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Bリーグ群馬、高校生発案の小児がん支援「レモネードスタンド」に協力する理由

「今回のプロジェクトは自分たちにとってもありがたい」と話す五十嵐圭【写真:中戸川知世】
「今回のプロジェクトは自分たちにとってもありがたい」と話す五十嵐圭【写真:中戸川知世】

継続することが何よりも大事、スポーツの力で支援の輪を広めたい

 プロジェクト発案者の松岡さんは、クレインサンダーズに協力を依頼した理由について、「太田市にはクレインサンダーズがある。昨シーズンのB1リーグ昇格の時はすごく盛り上がっていて、知名度や影響力があります」と語っていた。

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 その一方で、五十嵐は地域におけるクレインサンダーズの存在や影響力について「まだまだ認知度はかなり低い」と感じている。

「前所属チームの新潟アルビレックスは新潟県民であれば誰もが知っているような、本当に影響力のあるチームだったのですが、群馬県にバスケットボールチームがあるというのをどのくらいの人が知っているのかなというぐらい、クレインサンダーズの認知度はまだ低いと思っています。でもスポーツには力があると思うので、今回のプロジェクトは自分たちにとってもありがたかったです」

 パーカーも同様に「サッカーや野球に比べたらまだまだですけど、だんだんとBリーグの影響力も強くなってきていると感じるので、これを機にバスケットボールの力を太田市から日本全体に広げていきたい」と意気込む。

 Bリーグが誕生して6年目の今季は、クレインサンダーズが太田市に移転して最初のシーズンとなる。だからこそ、チームにとってもこのプロジェクトへの参加には大きな意味があると牧山さんは話す。

「スポーツを見て勇気をもらえたり、元気になったりする人は本当にいると思っているので、そんな人たちのために勝利を届けるのはプロスポーツチームとして大事なことです。ですが、地域の課題解決に太田市の皆さんと一緒に取り組むことも、太田市を拠点に活動するクレインサンダーズとしては大事なことだと思っています。『スポーツってやっぱりいいよね』で終わらない、スポーツの力を使って地域に恩返しすることが求められていると思うんです」

『レモネードスタンドプロジェクト』は予想を上回る好調な滑り出しとなった。黄色いプロジェクトTシャツを着た選手たちの写真はSNSで大きな反響となり、多くのメディアに取り上げられている。しかし、一番大事なことは継続することだ。

「注目度が高まったことは本当にありがたく感じています。ですが、本当に大事なことは継続することです。まずはチームがなければ活動はできません。そのためには健全なクラブ経営があってこそです。また、高校生も卒業していきます。この『レモネードスタンドプロジェクト』は高校生が主体となって行っているプロジェクトですので、彼らが後輩にバトンタッチして継続していける仕組みを作ることが必要になってきます。そのためにはまずはこの1年でしっかりと実績を作り、今後も継続していけるように我々もサポートしていきたいと思っています」(牧山さん)

 コロナ禍において「スポーツは社会に必要なものか否か」という議論が聞かれるようになった。確かにスポーツがなくても困らない人もいるだろう。しかし、スポーツだからこそ、できることもあるのではないだろうか。

 太田市の高校生から始まった小児がん支援のための『レモネードスタンドプロジェクト』が、地元で活動する群馬クレインサンダーズが持つスポーツの力を得て、多くの人の心に届いたことは紛れもない事実なのだから。

(THE ANSWER編集部)

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