Bリーグ群馬、高校生発案の小児がん支援「レモネードスタンド」に協力する理由
10月9、10日と群馬県太田市運動公園市民体育館で行われた2021-22シーズンのB1リーグ。昇格したばかりの群馬クレインサンダーズのホーム開幕戦・千葉ジェッツ戦で、ひと際賑わうブースがあった。それが『レモネードスタンド』だ。
SSRの一環としてスタートしたチームの“ONGAESHI”プロジェクトと考えが一致
10月9、10日と群馬県太田市運動公園市民体育館で行われた2021-22シーズンのB1リーグ。昇格したばかりの群馬クレインサンダーズのホーム開幕戦・千葉ジェッツ戦で、ひと際賑わうブースがあった。それが『レモネードスタンド』だ。
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太田市にあるぐんま国際アカデミーの生徒の発案から始まった、小児がん支援のための『レモネードスタンドプロジェクト』。その小さな“波”が、ホームタウンを同じくするクレインサンダーズを巻き込んだ。ホーム開幕戦の2日間で集まった募金は約850本分(170,776円)。想定を大幅に上回る数字に関係者は驚きを隠せないが、このプロジェクトは地元の学校に通う生徒たちと地域への恩返しを模索するプロバスケットクラブ、そして活動を応援する企業とが三位一体となって実現したものだった。
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「社会のために高校生が何かしようと行動に移して行政や企業に働きかけることは、そう簡単にできることではないと思います。高校生のパワーと言いますか、純粋に何かのために行動したいと思い、自分ができることとして実際に動いて、こうやって企業に働きかけたことで、プロジェクトが動いたというのは本当にすごいことだと思っています」
そう語るのは、クレインサンダーズでプロジェクトを担当する牧山沙弥香さん。普段はチームのオーナー企業である株式会社オープンハウスの経営企画室でSDGsの推進を行っており、チームではSSR(スポーツソーシャルレスポンシブリティ)を担当している。
「今季からクレインサンダーズはSSRという活動を始めています。これはスポーツを通して社会貢献をしていこう、スポーツの力で社会に貢献していこうというもので、B1リーグに上がったタイミングで、地域への恩返しの気持ちを込めて“ONGAESHI”という名前でスタートしました」
牧山さんのもとに「高校生からこういった企画書が届いているんだけど、サンダーズさん協力してくれないかな?」という話が行政から届いたのは、その“ONGAESHI”プロジェクトを始めようとしたタイミングだった。実際に生徒たちから話を聞くと、「“ONGAESHI”プロジェクトの第1弾として、地域の生徒たちとのプロジェクトをゲーム開幕戦で実現したい」と強い思いに駆られ、時間がないなかではあったが早急に詳細を詰めていったという。
実際に動き出したのは8月頃のこと。ぐんま国際アカデミーの松岡優さんが作成した企画書を土台に、内容を微修正しながらプロジェクトは進んだ。制作するオリジナルTシャツの納品がホーム開幕戦に間に合うかどうかギリギリの時期だったが、高校生たちの頑張りが報われたと牧山さんは言う。
「高校生たちが本当に主体的に準備を行ってくれて、私たちは彼らの準備が滞りなく進むように関係各所への確認やスポンサー企業様への対応、権利問題など、サポートに徹しました」