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村田諒太に「勝機」はある 最強王者ゴロフキン戦へ、下馬評を覆す条件とは

いかに近距離での打ち合いに持ち込めるかが鍵

 村田の持ち味は近い距離でのパンチ力だ。海外でも活躍しているトレーナーは、「ミドル級ではトップクラスのパワーを持つ」と絶賛していた。特に右ストレートは抜群の破壊力を持つ。これまでダウン経験がなく、タフさがウリのゴロフキンであっても、いいパンチが入ればダウンする可能性は十分にある。

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 また両者の体格を比べると、ゴロフキンが身長179センチ(リーチ178センチ)に対し、村田は身長183センチ(リーチ184センチ)で、村田が4センチほど大きい。そのため近距離でのぶつかり合いでは有利になる。フィジカルがトップクラスの村田なら、ゴロフキンのパワーに対抗できるだろう。

 両者の戦う距離を比べると、ゴロフキンは長距離から中間距離が強く、村田は接近戦が強い。そのため、いかに近距離での打ち合いに持ち込めるかが鍵となる。

 今回、日本で試合ができるホームアドバンテージもある。これまで村田は2敗しているが、1敗はダウンを奪い勝っていると言われた試合でアッサン・エンダムに敗戦している。もう1試合はアメリカの舞台で、ロブ・ブラントに敗戦している。ともに再戦で勝利しているが、特にブラントとの第2戦は印象的だった。背水の陣で臨んだ村田が、2回に猛烈なラッシュでKOし、ベルトを取り返したのだ。

 会場となった大阪府立体育会館も大いに盛り上がり、ファンの期待に応えた試合だった。地元で試合ができるのは選手にとって心強い。調整もしやすく、何より大勢のファンに応援されるとリングの上で覚悟ができる。これまで五輪で金メダルを獲得し、難しいと言われたミドル級で世界王者になった村田諒太。日本ボクシング史に名を残すような試合を期待したい。

(木村 悠 / Yu Kimura)

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木村 悠

1983年生まれ。大学卒業後の2006年にプロデビューし、商社に勤めながら戦う異色の「商社マンボクサー」として注目を集める。2014年に日本ライトフライ級王座を獲得すると、2015年11月には世界初挑戦で第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオンとなった。2016年の現役引退後は、株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動、社員研修、ダイエット事業など多方面で活躍。2019年から『オンラインジム』をオープンすると、2021年7月には初の著書『ザ・ラストダイエット』(集英社)を上梓した。

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