村田諒太に「勝機」はある 最強王者ゴロフキン戦へ、下馬評を覆す条件とは
いかに近距離での打ち合いに持ち込めるかが鍵
村田の持ち味は近い距離でのパンチ力だ。海外でも活躍しているトレーナーは、「ミドル級ではトップクラスのパワーを持つ」と絶賛していた。特に右ストレートは抜群の破壊力を持つ。これまでダウン経験がなく、タフさがウリのゴロフキンであっても、いいパンチが入ればダウンする可能性は十分にある。
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また両者の体格を比べると、ゴロフキンが身長179センチ(リーチ178センチ)に対し、村田は身長183センチ(リーチ184センチ)で、村田が4センチほど大きい。そのため近距離でのぶつかり合いでは有利になる。フィジカルがトップクラスの村田なら、ゴロフキンのパワーに対抗できるだろう。
両者の戦う距離を比べると、ゴロフキンは長距離から中間距離が強く、村田は接近戦が強い。そのため、いかに近距離での打ち合いに持ち込めるかが鍵となる。
今回、日本で試合ができるホームアドバンテージもある。これまで村田は2敗しているが、1敗はダウンを奪い勝っていると言われた試合でアッサン・エンダムに敗戦している。もう1試合はアメリカの舞台で、ロブ・ブラントに敗戦している。ともに再戦で勝利しているが、特にブラントとの第2戦は印象的だった。背水の陣で臨んだ村田が、2回に猛烈なラッシュでKOし、ベルトを取り返したのだ。
会場となった大阪府立体育会館も大いに盛り上がり、ファンの期待に応えた試合だった。地元で試合ができるのは選手にとって心強い。調整もしやすく、何より大勢のファンに応援されるとリングの上で覚悟ができる。これまで五輪で金メダルを獲得し、難しいと言われたミドル級で世界王者になった村田諒太。日本ボクシング史に名を残すような試合を期待したい。
(木村 悠 / Yu Kimura)