平昌五輪は成功だったのか 現地ライターが見た17日間の「リアル」
17日間の熱戦が繰り広げられた平昌冬季五輪がとうとう25日、閉幕した。1988年ソウル夏季五輪以来、韓国で30年ぶりの開催となったが、一体、どんな大会になるのか、興味は尽きなかった。
大会前は不人気、交通問題も…30年ぶり開催の韓国で何が起こっていたのか
17日間の熱戦が繰り広げられた平昌冬季五輪がとうとう25日、閉幕した。1988年ソウル夏季五輪以来、韓国で30年ぶりの開催となったが、一体、どんな大会になるのか、興味は尽きなかった。
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大会前は朝鮮半島情勢が険悪となり、開催都市(都市のというよりは街だった)の平昌や江陵、旌善の3か所が半島の北側に近い江原道にあることで、この地域のイメージが危険と判断。一時期は参加を見送るという国が出てきたほどで、当初は不人気でチケット販売も低調だったが、急転直下で南北の合同行進や合同チームが実現し、韓国代表の大活躍もあって結果的には盛況だった。24日までの入場券売り上げが約108万枚で、目標数を大きくクリア。アリーナやホッケー場などの氷系施設が集まった東京ドーム約2.7個分の広さだった五輪公園内を見て回れる入場券が、2000ウォン(約200円)という手頃な値段設定だったことも奏功したことは間違いない。
高額な競技チケットやIDパスを持たずとも、公園内のパビリオン(五輪スポンサーの展示館)やパレードなどを見学できたり、スーパーストアで様々な五輪グッズが買えたりと、五輪の雰囲気を十分に味わえた。大会マスコットで白虎の「スホラン」がカワイイと評判がうなぎ上りで大人気となり、公園内には関連グッズを身に着けた人たちが続出。江陵五輪公園にあるストア前は連日、長蛇の列だったことをみても、平昌五輪は成功したと言っていいだろう。
また、今回の平昌五輪はいくつもの「○○オリンピック」を掲げていて、例えば、「平和」「環境」「文化」「技術」というキーワードが入るものだった。平昌や江陵に作ったフェスティバルパークや近隣の催し会場で様々なイベントや公演を情熱的に開いていた。450余りの多様な文化プログラムを運営。開会式以後、観覧客は約54万人を超えたという。それは道民を巻き込んで一緒に五輪を開き、楽しもうという姿勢の表れだったと言えるだろう。
そして、オリンピック特別コールセンター(1330番)を24時間運営して、サービスや宿泊、シャトルバス運行などの情報を提供したり、苦情や相談ができたりする窓口も作って、海外からの観戦客や観光客に対応していたという。