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GKが選ぶ「凄いGK」第1位、仙台スウォビィクは何が凄いのか 楢﨑正剛が対談で迫る

母国・ポーランドと日本とのGKトレーニングや指導法の違い

楢﨑「毎日を高い意識で過ごすことが高いパフォーマンスにつながっているのですね。トレーニングの話題になったので、ぜひ聞いてみたいのですが、ポーランドと日本の指導法やトレーニングで違いを感じることはありますか?」

スウォビィク「一概に比較することはできませんが、ポーランドのGKコーチもさまざまです。ニュージェネレーションもいますが、いわゆるオールドタイプの指導者もいます。自分が若い頃は、1年間を1週間ずつに区切って同じサイクルでトレーニングを行っていました。だから何週間か経過した頃には次にどんな練習をするのかが分かってしまい、成長していることを実感しにくかった時期もありました。その一方で前所属クラブでは、実戦に近いトレーニングが多く、現代サッカーに求められている要素をトレーニングに落とし込んでくれていましたね」

楢﨑「確かに指導者それぞれで考え方は違いますよね。いろいろなコーチから教わることで、良い部分を吸収していくというのは日本でも同じイメージかもしれないです」

スウォビィク「大切なのは、いかに実戦に近いトレーニングを積むかだと思っています。それが試合に向けた良い準備につながるのではないでしょうか」

楢﨑「すべてのポジションに共通していることですが、特にGKは何歳になっても学ぶこと、得ること、吸収できることがあるポジションです。僕も現役時代はそういった考えで毎日取り組んでいましたから」

スウォビィク「そのとおりだと思います。自分はまだまだハングリーですし、日々成長していきたいと思っています。昨日の自分よりもっと良い選手になっていきたいです」

――最後に、スウォビィク選手から楢﨑さんへ何か聞いておきたいことはありますか?

スウォビィク「実はYouTubeで楢﨑さんのプレーを見ていたのでとても尊敬しています。そういった方に自分のプレーをベストセーブに選出してもらい、こうして対談できたことを光栄に思っています。本当にありがとうございました」

楢﨑「こちらこそ貴重な時間を割いてくれてありがとうございます。最後に僕からも一つ聞いてみたいことがあるんですが、日本でGKをやっている人は変わっている人が多いということになっているんだけど、ポーランドではいかかですか?(笑)」

スウォビィク「ポーランドでもGKは少し変わっている人間が多いという認識です(笑)。どんなに悪天候でも劣悪な環境でもプレーし続けなければいけないですし、ゴールを守るためには汚れても痛くてもダイビングしなければいけません。確かに少し変わっている人にしか務まらないポジションかもしれませんね(苦笑)」

楢﨑「ポーランドも同じでしたか(苦笑)。以前、川崎フロンターレのチョン・ソンリョン選手にも同じ質問をしたのですが、韓国でも同じ認識でした」

スウォビィク「それは興味深いですね(笑)。自分が小さい頃、雨が降っている日に練習をしていたら、泥だらけの練習着が水を吸って重くなってしまい、それをカバンに詰めて持って帰って一生懸命に洗濯していました。でも、そうやって努力した日々が自分の糧になっています。何かをすれば、何か大きなものが返ってくる。それが僕にとってのGKというポジションの魅力です」

楢﨑「その精神を僕も指導者として伝えていけるように頑張ります(笑)。今日は貴重な話を聞かせてくれて本当にありがとうございました。今度は対面で会えるのを楽しみにしています」

スウォビィク「こちらこそありがとうございました。また自分のプレーを選出してもらえるように頑張ります!」

■楢﨑正剛

1976年4月15日生まれ、奈良県出身。1995年に奈良育英高から横浜フリューゲルスに加入。ルーキーながら正GKの座を射止めると、翌年にJリーグベストイレブンに初選出された。98年シーズン限りでの横浜フリューゲルス消滅が決まった後、99年に名古屋グランパスエイトへ移籍。2010年には、初のJ1リーグ優勝を経験し、GK初のMVPに輝いた。日本代表としても活躍し、国際大会では2000年のシドニー五輪(OA枠)、02年日韓W杯などに出場。19年1月に現役引退を発表し、現在は名古屋の「クラブスペシャルフェロー」に加え、「アカデミーダイレクター補佐」および「アカデミーGKコーチ」を兼任。21年からはJFAコーチとしても活躍している。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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