東京五輪にラグビーW杯から繋がったレガシー 廣瀬俊朗「ボランティアの心は日本の誇り」
ラグビーW杯でも感じたボランティア精神「東京オリパラで定着した」
オリンピック開催を通じて多様性に触れることができたこともレガシーです。世界にはいろいろな人がいて、いろいろな個性があることを体感できましたし、若い世代が活躍した新競技を通じて、試合やパフォーマンスに対する新たな価値観を知ることもできました。マイノリティと呼ばれる人々やLGBTQについても、以前より理解が進んだような気がします。
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そして、多様性に触れたり世界と繋がったりすることで、改めて日本人らしさについて考えるきっかけを得たこともレガシーかもしれません。僕たちって何なんだろう。何を大事にしているんだろう。そういったことは、日本人だけでいる時にはなかなか感じないものです。
2019年のラグビーワールドカップ(W杯)でも感じたことですが、東京オリンピックでもボランティアの方々によるホスピタリティに、全ての人々が感動していました。これは日本の誇りです。日本に来てくれてありがとう、という感謝の気持ちを込めたおもてなしは、多くの人々の心を打ちました。
もともと、日本人はシャイなので、例えば10年前に今ほどボランティア活動や言葉が浸透していたかというと、そうではなかったように思います。徐々にボランティアの精神が社会に広がる中で、ラグビーW杯と東京オリンピック・パラリンピックで定着した。これもまたレガシーなのかもしれません。
コロナ禍で開催が1年延期されたり、いろいろと問題が発生したりすることもありましたが、今は開催できて良かったと思っています。もちろん、パラリンピックが終了した後で世界的にコロナを巡る状況がどうなるか、その行方は見守らなければいけません。今はただ、大きな影響が出ないことを祈るばかりです。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)