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17日間取材した米記者が思う東京五輪のレガシー「感染動向をIOCが責任持ち見守るべき」

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。開催を巡る是非が問われる中、幕を開けた今大会。来日した「海外記者のミカタ」も紹介する。

米ベテラン記者が感じた「東京オリンピックのレガシー」【写真:AP】
米ベテラン記者が感じた「東京オリンピックのレガシー」【写真:AP】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#93

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。開催を巡る是非が問われる中、幕を開けた今大会。来日した「海外記者のミカタ」も紹介する。

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 第7回は米紙「シカゴ・トリビューン」のベテランスポーツ記者、ステイシー・セントクレアさん。2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと夏季3大会、2014年ソチと冬季1大会の五輪取材経験を持つ。東京では水泳、野球、レスリング、バレーボールなどを取材したステイシーさんに「東京オリンピックのレガシー」について聞いた。(取材・構成=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)

 ◇ ◇ ◇

 17日間にわたり開催された東京オリンピックが、いよいよ閉幕します。私にとっては4度目の夏季オリンピック取材。東京とシカゴは時差が14時間あり、米国オフィスのスタッフとは昼夜正反対の中でやりとりをする難しさはありましたが、なんとか無事に走り抜けました。

 昨年、世界中に襲い掛かった新型コロナウイルス感染症により、今回のオリンピックは過去の大会と全く違ったものとなりました。1年の開催延期、無観客開催、“バブル”方式による安全確保など、大きな変更が様々ありましたが、私個人的には取材した4大会の中でベストだったと感じています。

 競技会場の建設が遅れたり、運営システムが破綻したり、世界的ビッグイベントのオリンピックは開催期間中でも何かしら混乱がつきものです。ですが、東京は開幕までの準備が万全に整い、大きな混乱もなく、スムーズに大会が運営されていました。プレスセンターや競技会場にいるボランティアの方々は物知りでとても親切でしたし、滞在したメディアホテルのスタッフの方々もいつも笑顔で接してくれました。

 こういったビッグイベントに大勢の人が集まると、どういうわけか誰しもが自然と粗探しを始めます。過去の大会でも選手・関係者・メディアから大会に関する不満の声が多く聞かれましたが、東京ではほとんど不満を聞きませんでした。もちろん、ゼロではありません。改善すべき点は必ずあるものですから。評価の分かれた段ボールベッドも、環境対策や持続性といった点から見れば大いに意味あるものだったと思います。

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