野球日韓戦 米記者が新大久保の夜に見た風景「良い意味で僕の予想は裏切られました」
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信。開催を巡る是非が問われる中、来日した「海外記者のミカタ」も紹介する。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#78
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信。開催を巡る是非が問われる中、来日した「海外記者のミカタ」も紹介する。
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第6回は米紙「ロサンゼルス・タイムズ」のスポーツコラムニスト、ディラン・ヘルナンデスさんだ。2018年平昌五輪の取材経験を持ち、MLB、ボクシング、サッカーなど幅広くカバー。英語、スペイン語、日本語の3か国語を操り、独自の視点であらゆるトピックスを鋭く斬るスタイルが持ち味。今回は日本人の母を持ち、子どもの頃から何度も来日経験があるディランさんが見た「新大久保:野球準決勝の夜」について聞いた。(取材・構成=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)
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東京オリンピックは残りわずかとなりました。僕の滞在期間も2週間を超え、4日から晴れて公共交通機関を使えることに。宿泊する新宿エリアや競技会場近くなどを歩いてみましたが、やはり街にはオリンピックを歓迎するような飾り付けやお祭りムードは漂わず、コロナ禍での日々が淡々と過ぎているように見えました。
せっかく電車に乗れるので、4日は横浜スタジアムが舞台となる野球の準決勝、日本vs韓国を取材しに行く予定にしていました。数年前、コラムニストになる前は野球担当記者としてドジャースをカバーしたり、WBCを取材したりしていたので、日本と韓国が大きなライバル関係にあることを知っていたからです。
ロサンゼルスにはリトルトーキョーという日本人街があるほか、コリアタウンと呼ばれる韓国人街があります。WBCの日韓戦が開催される時はそれぞれ大きな盛り上がりを見せ、野球ファンはもちろん普段は野球を見ない人たちまでもライバル関係にあるかのような対立構図が生まれていました。ひょっとしたら日本人と韓国人は本当に仲が悪いのかもしれない、と感じてしまう経験もあったので、今回の日韓戦もまた多くの人を巻き込んだ対立構図が見えるのではないかと思っていました。