2つの東京五輪支えた77歳男性のボランティア物語「人のお世話にならず人のお世話したい」
五輪ボランティアで新鮮なやりがい「家の中にいては味わえない」
「毎日を楽しんでやっています。開会式は予行だったけれど、迫力満点に体験できたし、閉会式がある8日は記者席における支援が決まっているので、閉会式の様子も垣間見ることができる。大きく業務を振られた分、逆にいろんなところを経験できたと思っています。世代の異なる人と友達になれるし、若い子は私の孫ぐらいの年齢。自宅から往復4時間、始発で来ていますが、家の中にいては味わえない経験はいい。現場で気づくこともあり、今までの管理経験も生かせています」
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現在、平塚市でボート免許事務所を運営しており、船舶免許講習を受けに来る若者と接する機会もある。それでも五輪のボランティアでは新鮮なやりがいを感じている。
「ボランティアをやっている人たちは自分なりの目的を持った前向きな人が多い。すがすがしい気持ちになれます。体力も気力もあんまり落とすことなく、2回目の五輪のボランティアに携われた。77で私くらいの体力を保てている人は少なく、鍛えてくれた環境に感謝し、自分の努力を褒めてやりたい気持ちがこみ上げて来ています」と笑った。
コロナの感染拡大が収まらない中、賛否両論の末、開催された東京五輪。村岡さんは五輪の意義について、こう話した。
「五輪に出てくる選手はほんの一握りの頂点。広がるすそ野には頑張っている若い人がたくさんいる。目標がなくなると、努力する気持ちも高揚しない。2013年から見ていると、国がスポーツ施設を作り、選手を養成してきた。目標をちゃんと達成させてあげられたのはよかった。コロナの拡大と五輪は関係ないと思う。五輪が悪いんじゃない」
村岡さんはこの経験を次に生かすことを楽しみにしている。「今後も健康管理を続け、人のお世話にならないで、人のお世話をしていきたいと改めて思いましたね」と結んだ。
(THE ANSWER編集部)